大学編入の合格率・倍率の実際|大学ごとにここまで違う
「編入の倍率は◯倍」という一言では言えません。大学編入総合研究所が掲載している実際の大学のデータを見ると、倍率は1.0倍台から13倍台まで大きく開きがあります。そもそも倍率を公表していない大学も少なくありません。この記事では、実際の数字をもとに、倍率をどう読めばよいかを整理します。
この記事で分かること
- 実際の大学の倍率が1.0倍台から13倍台まで大きく開いていること
- 倍率を公表していない大学があり、その場合は数字そのものが存在しないこと
- 母集団の小ささ・学科差・年度差によって、倍率という指標の意味が変わること
- 倍率を調べるときに確認すべき4つのポイント
実際の倍率は、大学によってここまで違う
編入総研で確認できる実質倍率(受験者数÷合格者数)を並べると、次のようになります。
| 大学・学部 | 実質倍率 |
|---|---|
| 金沢大学融合学域 | 1.0〜1.7倍(学類・年度による) |
| 法政大学理工学部 | 1.2〜5.5倍(年度による) |
| 大阪大学基礎工学部 | 2.08〜2.92倍(2024〜2026年度) |
| 埼玉大学教養学部 | 2.4倍(2026年度・一般入試) |
| 神戸大学国際人間科学部 | 2.3〜6.0倍(学科・年度による) |
| 島根大学法文学部 | 2.1〜2.9倍(直近6年) |
| 法政大学社会学部 | 4.0〜8.5倍(年度による) |
| 九州大学芸術工学部 | 1.6〜4.8倍(コースによる) |
| 大阪大学外国語学部 | 3.5〜13.0倍(年度による振れが大きい) |
同じ「大学編入」という制度の中でも、1倍台の大学もあれば10倍を超える大学もあることが分かります。「編入の倍率は高い(または低い)」という一括りの説明は、実態を表していません。志望校の難易度は、必ず志望校自身の数字で確認する必要があります。
また、この一覧はあくまで編入総研で確認できている大学の一部です。同じ学部系統でも、募集人員や試験科目の設計が違えば、倍率の出方も変わります。「合格率・倍率の実際」を知りたい場合は、この記事の一覧だけで判断せず、志望校本体の記事で最新の数字を確認してください。
そもそも倍率を公表していない大学も多い
倍率を語れるのは、大学が志願者数・受験者数・合格者数を公表している場合だけです。公表していない大学では、倍率という指標そのものが存在しません。
関西外国語大学は3年次編入学試験の志願者数・受験者数・合格者数を公表していません。(中略)競争率を示す数値はどの年度にもありません。したがって倍率から難易度を語ることはできません。他サイトに「2.4倍」「3.0倍」といった数字が出ていることがありますが、大学公式では確認できないため、この記事では扱っていません。
大学が公表していないのに「◯倍」という数字が出回っている場合、その数字の根拠は分かりません。倍率を確認するときは、大学が公式に公表しているデータかどうかを必ず確かめる必要があります。
「志願倍率」と「実質倍率」は別物
倍率には、志願者数をもとにした「志願倍率」と、実際に受験した人数をもとにした「実質倍率」があります。志願しても当日欠席する人がいるため、この2つは一致しません。多くの大学は志願者数・合格者数しか公表しておらず、受験者数(実際に試験を受けた人数)は公表していないケースがあります。その場合、編入総研では志願者数と合格者数から「志願倍率」として計算し、実質倍率とは区別しています。
倍率が低い(高い)=簡単(難しい)とは限らない理由
大阪公立大学工学部の例では、同じ大学・同じ試験日であっても、学科によって倍率がまったく異なります。
学科別の倍率は1.25倍から5.30倍まで4倍以上の開きがあり、どの学科に出願するかが合否を大きく左右するのがこの大学の特徴です。
大学全体の倍率だけを見て「この大学は入りやすい/入りにくい」と判断すると、実際に出願する学科の数字とはずれることがあります。見るべきは大学全体の倍率ではなく、志望する学科の倍率です。
母集団が小さいと、倍率という指標自体が意味を持たなくなる
募集人員が「若干名」で、志願者が数名しかいない試験では、倍率の振れ幅がそもそも大きくなります。
4年度8回を合わせても志願者は6名です。倍率という指標がほとんど意味を持ちません。
受験者が1人でも増減すれば倍率が大きく動くような小規模な試験では、「例年◯倍だから」という読み方はできません。倍率よりも、募集人員そのものの少なさを対策の前提にするほうが実務的です。「若干名」としか書かれていない募集人員は、大学が公表する入試結果を確認すると実際には数名程度にとどまることが多く、合格者が出ない年度がある試験も編入総研では複数確認しています。
倍率が年度によって大きく動く大学もある
同じ大学・同じ学部でも、年度によって倍率が大きく変わることがあります。法政大学社会学部の例では、次のような推移が確認できます。
実質倍率(受験者数÷合格者数)は2024年度入学が4.0倍、2025年度入学が8.5倍と、1年で倍以上動いています。大阪大学外国語学部(25専攻語)に至っては、直近4年度の合格者数が1〜4名ときわめて少なく、実質倍率も3.5倍から13.0倍まで年度による振れが大きい、少数選抜です。「昨年は◯倍だったから今年も同じくらい」という読み方は通用しません。過去数年分の推移を確認し、振れ幅そのものを対策の前提に入れておく必要があります。
倍率を調べるときにできること
- 大学が公式に公表しているデータかどうかを確認する。他サイトの数字だけを鵜呑みにしない。
- 大学全体ではなく、志望する学科・専攻の倍率を見る。同じ大学でも学科ごとに大きく違うことがあります。
- 母集団の大きさ(志願者数・合格者数)もあわせて見る。数名規模の試験では倍率の振れが大きく、参考程度にとどめます。
- 複数年度分を確認する。1年だけの数字では、たまたま高い(低い)年度を見ている可能性があります。できれば3年分は見ておきます。
試験対策の具体的なイメージをつかみたい方へ
よくある質問
大学編入全体の平均的な倍率は?
編入総研で確認できる範囲では、大学ごとに1.0倍台から13倍台まで大きく開きがあり、単純な平均を出すこと自体があまり意味を持ちません。志望校ごとの数字を個別に確認することをおすすめします。「平均」という1つの数字にまとめてしまうと、この記事で見てきたばらつきの情報が失われてしまいます。
倍率が公表されていない大学は、難易度が分からない?
倍率という数字では判断できませんが、募集人員・出願資格・試験科目から、対策の重さはある程度読み取れます。学部系統別の一覧記事もあわせてご覧ください。倍率が非公表であることを理由に、対策を後回しにする必要はありません。
倍率が低い大学を選べば合格しやすい?
この記事で見たとおり、倍率は母集団の小ささや学科差の影響を受けやすく、必ずしも「入りやすさ」を正確に表しません。倍率だけで志望校を決めるのではなく、出願資格・試験科目が自分に合っているかをあわせて確認することが重要です。倍率の低さを理由に対策の手を抜くと、実際の試験科目の難しさで思わぬ苦戦をすることもあります。
志望する学科の実際の倍率・募集人員が自分にとって現実的かどうかは、条件を突き合わせて初めて分かります。
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もっと知りたい方へ
この記事について
監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)
本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。倍率のデータは各大学の公式発表・編入総研の既存記事にもとづいています。
※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

