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神戸大学工学部の編入試験対策|2027年度の変更点・学科別の選び方・倍率

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-06‌​​​​​‌‌‌​‌​​‌‌‌​‌‌‌​‌​‌​​​​‌​​​

結論:神戸大学工学部の編入試験はこんな試験

神戸大学工学部の3年次編入学試験は、建築学科・市民工学科・電気電子工学科・機械工学科・応用化学科の5学科で実施されます。1日目に全学科共通の数学(線形代数・微分積分)と物理学(力学・電磁気学)、それに学科ごとの第3科目(スケッチ・小論文/小論文/電気回路/機械工学基礎/化学)を受け、2日目に全学科共通の口頭試問があります。英語は独立した筆記試験がなく、TOEIC Listening & Reading 公開テストのスコアを100点満点として使う方式です。合計配点はどの学科も400点にそろえられています。

ただし、2027年度(令和9年度)入試で制度が大きく変わりました。情報知能工学科が募集を停止して6学科から5学科になり、募集人員が全学科共通の20名から学科別の合計17名に変わり、建築・市民工学・機械・応用化学の4学科では短期大学卒業者と大学2年在学者の出願ルートが廃止されました。機械工学科の第3科目も小論文から機械工学基礎に置き換わっています。数年前の情報のまま準備を進めると、出願できない・存在しない科目を対策するという事故が起きます。

今日からやることは、まず自分が出願できる学科を確認し、そのうえで第3科目のどれなら戦えるかを決め、全学科共通の数学・物理学の基礎固めとTOEICのスコア確保に着手することです。この記事では、大学が公表している最新の学生募集要項と変更告知、公表されている入試状況、オンライン編入学院の過去問分析、合格者6名の体験談をもとに、学科の選び方から対策の全体像まで解説します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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2027年度入試で変わった4つのこと

神戸大学工学部は、2027年度(令和9年度・2026年実施)の編入学試験について、学生募集要項とは別に3本の変更告知を工学部の入試情報ページで公表しています。いずれも受験計画に直結する内容なので、最初に押さえてください。

① 情報知能工学科が募集停止(システム情報学部へ)

変更告知には「情報知能工学科についてはシステム情報学部への改組に伴い、募集を停止します」と明記されています。工学部で情報系を志望していた方の受け皿はシステム情報学部の3年次編入学試験に移りました(後述のとおり出願資格が高等専門学校卒業者に限定されます)。

② 4学科で「短大卒」「大学2年・62単位」の出願ルートが廃止

建築学科・市民工学科・機械工学科・応用化学科の4学科は、出願資格が大学卒業(見込み)/大学評価・学位授与機構の学位/高等専門学校卒業(見込み)/外国での相当資格の4つだけになりました。従来あった「大学に2年以上在学し62単位以上を修得」と「短期大学卒業(見込み)」は、この4学科では使えません。電気電子工学科だけは変更されておらず、従来どおり6区分のままです。

③ 募集人員が「全学科共通20名」から「学科別・合計17名」へ

これまでは学科を区別せず20名という枠でしたが、2027年度からは建築3名・市民工学3名・電気電子4名・機械4名・応用化学3名という学科ごとの枠に変わりました。志望学科の枠がそのまま自分の競争条件になります。

④ 機械工学科の第3科目が「小論文」から「機械工学基礎」へ

変更前は数学120点・物理学120点・小論文60点でしたが、変更後は数学100点・物理学100点・機械工学基礎100点になりました。機械工学基礎の出題範囲は「大学1、2年レベルの熱力学・流体力学・材料力学・機械力学」と明示されています。大学が公開している機械工学科の過去問はすべて旧制度の小論文なので、そのまま現行対策の教材にはなりません。

出典: 神戸大学工学部の入試情報ページに掲載された「令和9年度(令和8年度実施)神戸大学工学部第3年次編入学試験 出願資格の変更について」「同 入学定員の変更について」「同 機械工学科の筆記試験科目等変更について」(入学定員・機械工学科の告知は令和7年3月27日付)、および「令和9年度学生募集要項」(2026年4月13日掲載)。

試験概要(最新要項データ)

2027年度2027年度(令和9年度・2026年実施)の学生募集要項にもとづくデータです。この節は毎年の要項公表に合わせて更新されます(更新日: 2026-08-06)。

17名5学科合計の募集人員
8/18・19筆記試験・口頭試問
400点全学科共通の満点
TOEIC英語はスコア提出
編入学年次・時期第3年次・2027年(令和9年)4月1日
募集人員建築学科3名/市民工学科3名/電気電子工学科4名/機械工学科4名/応用化学科3名(合計17名)
出願期間2026年7月1日0:00〜7月8日16:59(Web出願サイトでの登録と検定料振込)。出願書類はレターパックライトで7月1日〜7月8日17時必着、持参不可
検定料30,000円
筆記試験日2026年8月18日(火):数学・物理学・学科別の第3科目
口頭試問日2026年8月19日(水)13時〜:全学科で実施、合・否のみで判定
試験場神戸大学工学部学舎(神戸市灘区六甲台町1-1)
英語TOEIC Listening & Reading 公開テストのスコアを100点満点で評価。2025年4月1日以降に受験した成績が有効。Speaking & Writing・Bridge・団体受験のIPテスト・日本国外での受験は不可
合格発表2026年9月4日(金)10時(予定)。Web出願サイトのマイページで確認、電話照会は不可
入学時の費用入学料282,000円/授業料535,800円(年額)※要項記載の令和8年度の金額

2027年度の出願は2026年7月8日で締め切られています。2028年度(令和10年度)の4月入学を目指す方は、例年4月中旬ごろに工学部の入試情報ページで公表される次年度の学生募集要項を確認してください(2027年度要項は2026年4月13日に掲載されました)。制度変更の告知は要項より早く、前年の1〜3月に出ることがあります。

学科別の試験科目と配点・時間

学科数学物理学第3科目
建築学科100点
9:00〜10:30
100点
11:00〜12:00
スケッチ・小論文(50点・50点)
13:00〜14:30(各45分)
市民工学科100点
9:00〜10:30
100点
11:00〜12:00
小論文(100点)
13:00〜14:30
電気電子工学科150点
9:00〜10:30
100点
11:00〜12:00
電気回路(50点)
13:00〜13:40
機械工学科100点
9:00〜10:30
100点
11:00〜12:00
機械工学基礎(100点)
13:00〜14:30
応用化学科100点
9:00〜10:30
100点
11:00〜12:00
化学(100点)
13:00〜14:30

これに全学科共通で英語(TOEICスコア)100点が加わり、どの学科も満点は400点になります。学科ごとに配分が違うのは第3科目と数学で、電気電子工学科だけ数学が150点・第3科目が50点という構成です。同じ「数学を1問落とす」でも、電気電子工学科では他学科より失点が大きくなる設計だと理解しておくと、時間配分の練習に反映できます。

なお、指定された筆記試験と口頭試問を1つでも受験していない場合は、合格者選考の対象になりません。体調不良などで1科目でも欠席すると、他の科目の出来にかかわらず選考から外れます。

出願資格は学科で異なる(2027年度から変更)

神戸大学工学部の出願資格は、2027年度入試から電気電子工学科とそれ以外の4学科で二本立てになりました。短期大学在学中の方、現役の大学2年生の方は必ずここを確認してください。

建築・市民工学・
機械・応用化学
①大学卒業(見込み)/②大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された方(見込み含む)/③高等専門学校卒業(見込み)/④外国において①〜③に相当すると学部長が認める方
※「大学2年以上・62単位」「短期大学卒業」のルートは廃止
電気電子工学科上記①〜③に加えて、大学に2年以上(休学期間を除く)在学し62単位以上を修得した方(見込み含む)短期大学卒業(見込み)も対象。外国での相当資格も含め6区分

62単位要件は電気電子工学科の1区分だけにかかる条件です。学部全体の要件ではありません。また、62単位修得見込みで出願した方が入学時までに62単位を修得していない場合、要項の注意事項により入学許可が取り消されます。単位の取りこぼしがないか、在籍校の教務窓口で早めに確認してください。外国での資格により出願する方は、出願前(2027年度は6月12日まで)に工学部の教務学生グループへ電話で事前確認する必要があります。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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情報知能工学科を志望していた方へ:システム情報学部の3年次編入

神戸大学は情報知能工学科をシステム情報学部へ改組したため、工学部での情報知能工学科の編入募集は2027年度入試から停止されました。その代わり、システム情報学部が2027年度入学から3年次編入学試験の募集を開始しています。ただし、工学部の枠がそのまま移ったわけではなく、条件が大きく違います。

募集人員システム情報学科 3名
出願資格高等専門学校を卒業した方または卒業見込みの方のみ(大学卒業者・大学2年在学者・短期大学卒業者は対象外)
試験科目と配点数学120点・物理学120点・小論文60点・英語(TOEICスコア)100点=合計400点。加えて口頭試問(合・否で判定)
出題範囲数学=線形代数・微分積分、物理学=力学・電磁気学(工学部と同じ)。小論文は数学・物理学・情報工学・システム工学に関する知識と思考力を測るねらい
日程・試験場筆記2026年8月18日(火)、口頭試問8月19日(水)13時〜、試験場は神戸大学工学部学舎。出願期間・合格発表も工学部と同じ

工学部とシステム情報学部は試験日・時間割・試験場がすべて同じです。したがって、この2つを併願することはできません。高等専門学校から情報系を志望する方は、システム情報学部と工学部(電気電子工学科など)のどちらに出願するかを、出願前に決め切る必要があります。数学と物理学の出題範囲は工学部とまったく同じなので、共通科目の対策はどちらを選んでも無駄になりません。

出典: 神戸大学システム情報学部「令和9年度(令和8年度実施)神戸大学システム情報学部第3年次編入学試験について」(令和7年3月27日付)および「令和9年度学生募集要項」。大学から出願資格を含む条件が変わる可能性があるため、志望する場合はシステム情報学部の入試情報ページで最新の要項を確認してください。

出願手続きの実務(チェックリスト)

神戸大学工学部の出願期間は7月上旬の約1週間しかありません。英語がTOEICのスコア提出方式であること、証明書の原本を郵送する必要があることから、出願直前になってからでは間に合わない準備がいくつかあります。2028年度(令和10年度)の入学を目指す方向けに、要項の内容から逆算した準備の順番を示します(日付は2027年度の実績にもとづく目安で、次年度の正式な日程は要項で確認してください)。

  • 試験の1年以上前: 志望学科を決め、その学科の出願資格に自分が該当するかを要項で確認する。現役の大学2年生・短期大学生が出願できるのは電気電子工学科だけです。外国での資格により出願する場合は、事前確認の電話締切(2027年度は6月12日)が出願期間よりも早い点に注意してください。
  • 試験の1年前〜半年前: TOEIC L&R公開テストの受験計画を立てる。スコアには有効期間があり(2027年度要項では2025年4月1日以降の受験分)、団体受験のIPテストと日本国外での受験は認められません。提出はTOEIC申込サイトの「公開テスト スコア確認サービス」から神戸大学工学部の申請コード「00010406」を入力して行う方式で、紙の公式認定証を送っても受理されません
  • 試験の3か月前〜1か月前: 発行に日数がかかる書類の手配を始める。全志願者が提出するのは成績証明書、卒業(見込)証明書または在学期間証明書(本学部所定の様式)、出願登録および出願書類確認表(同)です。在職中の方は勤務先の長が作成した受験許可書、日本に在留している外国人の方は住民票が加わります。顔写真データは出願前3か月以内に撮影したものが必要です。
  • 出願期間(7月上旬の約1週間): Web出願サイトで出願登録と検定料30,000円の支払いを済ませ、郵送分の書類をレターパックライトで送付する。持参は認められません。書類が1つでも不足すると受理されません。出願後の記載内容の変更も原則として認められません。
  • 受験票: Web出願サイトのマイページから自分でダウンロードし、A4白色用紙にカラー印刷して持参します。ダウンロード可能になると登録メールアドレスに通知が届き、2027年度は7月24日までに届かない場合は問い合わせるよう案内されていました。

志望理由書は出願書類一覧に含まれておらず、合格者の体験談でも「提出はなかった」と報告されています。ただし口頭試問では志望動機と志望研究室について直接問われるため、書類にしない分、話して伝える準備が必要です。冊子の募集要項と出願書類様式の配布は行われず、すべて工学部ホームページからのダウンロードになります。

難易度・倍率(大学公表データ)

神戸大学工学部の学生募集要項には、巻末に「入試状況(過去3年分)」として全学科合計の志願者数・受験者数・合格者数・入学者数が掲載されています。ここでの実質倍率は受験者数÷合格者数で計算しています(大学が同要項に掲載している数値と一致することを確認しています)。学科別の内訳は公表されていません。

年度志願者受験者合格者入学者実質倍率
2024年度
(令和6年度)
140名106名31名29名3.42倍
2025年度
(令和7年度)
157名111名26名20名4.27倍
2026年度
(令和8年度)
118名96名27名18名3.56倍
2024 2025 2026 (年度) 140 157 118 106 111 96 志願者数 受験者数

この3年間のデータから読み取れるのは次の点です。

  • 実質倍率は3.42〜4.27倍のレンジで推移。2025年度に志願者が157名まで増えて4.27倍に達しましたが、2026年度は志願者118名・実質倍率3.56倍に戻っています。志願者数の年ごとの振れ幅が大きいため、「去年の倍率」を基準に受験の可否を判断するのは危険です。
  • 合格者は毎年26〜31名で、募集人員(2027年度は17名)を大きく上回っています。募集人員だけを見て「17人しか受からない」と考えると、難易度を実態より高く見積もることになります。
  • 合格者と入学者の差は毎年2〜7名。合格しても入学しない受験生が一定数いることが読み取れ、他大学との併願合格者が含まれていると考えられます。
  • 志願しても受験に来ない人が毎年22〜46名います。志願者数を分母にした倍率(4.37〜6.04倍)は、実際に会場で競う人数より過大になります。倍率を比べるときは、分母が志願者数なのか受験者数なのかを必ず確認してください。

学科別の志願者数・合格者数は大学から公表されていないため、この記事では学科別の倍率を掲載していません。募集人員が3〜4名という枠の小ささは、学科を選ぶ際の判断材料として押さえておいてください。

学科の選び方(意思決定ガイド)

神戸大学工学部は学科ごとに独立した試験が組まれているため、「どの学科に出願するか」が対策の出発点になります。数学と物理学は5学科共通なので、まず出願資格のグループを確認し、そのうえで第3科目の性格を比べてください。以下では大学が要項に明記している出題範囲・出題のねらいと、オンライン編入学院の過去問分析、合格者の体験談を突き合わせて整理します(著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません)。

建築学科(募集3名):スケッチと小論文

出願資格4学科共通ルール(短期大学卒業者・現役大学2年生は対象外)
第3科目スケッチ・小論文(各50点・各45分)
出題のねらい
(要項)
スケッチは対象物の形態・質感・陰影を把握し、大きさや画角を考慮して忠実に表現する技能と表現力を評価。小論文は建築学に関連する問題について自身の考えを論述させ、知識と思考力・判断力・表現力を評価

5学科で唯一、その場で手を動かして描く技能が問われる学科です。過去問分析で見ると、スケッチは配布された身近な物(容器・紙・手そのものなど)を観察して描かせる形式が続いており、事前に用意した作品では対応できません。小論文は、少子高齢化・災害・環境配慮・都市形成といった社会課題を建築の言葉で論じさせるテーマが中心で、800字程度の分量を求める設問も見られます。建築学の一般的な知識と、社会の動きを建築に結びつけて語る訓練の両方が必要です。

2026年度に建築学科へ合格したManjiroさん(熊本大学工学部土木建築学科から編入)は、約半年の対策のなかで小論文とデッサンを月2作品ほどのペースで添削してもらい、口頭試問の対策として建築分野の専門用語や表現方法を毎日ノートに書き留めていたと振り返っています。当日の小論文は光環境に関するテーマで「建築的な知識が必要であると感じた」、デッサンは手の形を描く出題で「時間が少なかったが、特徴をしっかり捉え、正確に書いた」と報告しています。デッサンに苦手意識がある場合は、早い時期から継続的に描く時間を確保することが鍵になります。なお、口頭試問への作品等の持参は認められていません。

市民工学科(募集3名):小論文が100点

出願資格4学科共通ルール(短期大学卒業者・現役大学2年生は対象外)
第3科目小論文(100点・90分)
出題のねらい
(要項)
市民工学に関する問題について自身の考えを論述させ、知識・技能と思考力・判断力・表現力を評価
口頭試問の
ねらい(要項)
市民工学およびその関連分野について試問し、学修・研究への主体性と市民工学への関心・意欲を評価

市民工学科は、従来の土木工学を基礎に、市民社会が必要とする公共サービスの担い手を育てることを目的とした学科です。要項でも「土木工学の学修には数学・物理学を中心とした学力基盤が必要」としたうえで、自ら思考する力・新たな発想の表現力・多様な価値観への理解を求めると明記しています。第3科目は小論文1本で100点なので、数学・物理学の計算力に加えて、90分で論を組み立てて書き切る訓練が直接得点に効きます。

大学は市民工学科の小論文の過去問を工学部ホームページで直近3年分公開しています。出題される具体的なテーマは年度ごとに変わるため、まず公開されている過去問で問われ方の水準を確認し、そのうえでインフラ・都市・防災・環境に関する報道に日常的に触れておくのが現実的な準備です。要項に「市民工学およびその関連分野について試問を行う」と書かれているとおり、口頭試問でも同じ関心が問われます。

電気電子工学科(募集4名):数学150点、出願資格が最も広い

出願資格4学科共通ルールに加え、短期大学卒業(見込み)と大学2年以上・62単位以上も対象
第3科目電気回路(50点・40分)
数学の配点150点(他学科より50点高い)
出題範囲
(要項)
電気回路の基礎(オームの法則、電力)と各回路素子(L・C・R)の特性/交流回路の複素計算法(インピーダンス・アドミタンス、交流電力、共振回路)/線形回路網の諸定理(キルヒホッフの法則、重ね合わせ・テブナン・ノートンの定理)/電磁誘導結合回路/基本回路(L・C・R回路)の過渡現象

電気電子工学科は出願資格が最も広く、短期大学生・現役大学2年生にとっては神戸大学工学部で唯一の選択肢です。2027年度の出願資格変更でも、この学科だけは従来どおりの6区分が維持されました。

一方で、配点構成は他学科と大きく違います。数学が150点と全体の4割近くを占め、第3科目の電気回路は50点・40分と短時間です。過去問分析でも、電気回路はRL直列回路の実効値・位相差・周波数による近似、RC回路の過渡現象を微分方程式で解く問題、時間応答の波形を図示させる問題といった範囲どおりの標準的な論点が繰り返し問われています。公式を暗記するだけでなく、微分方程式を最後まで解き切る計算力と、結果を図に落とす力が求められます。そして何より、数学150点をどれだけ取れるかが合否を左右する構成である点を意識して時間配分を組んでください。

機械工学科(募集4名):2027年度から「機械工学基礎」に変更

出願資格4学科共通ルール(短期大学卒業者・現役大学2年生は対象外)
第3科目機械工学基礎(100点・90分)※2027年度入試から。変更前は小論文60点
出題範囲
(要項)
大学1、2年レベルの熱力学・流体力学・材料力学・機械力学
配点の変化変更前: 数学120点・物理学120点・小論文60点
変更後: 数学100点・物理学100点・機械工学基礎100点

機械工学科は、第3科目が論述から専門科目の筆記へ入れ替わったため、対策の性質が根本的に変わりました。変更前の小論文では、社会的なテーマ(新しい移動手段の実用化に向けた課題、材料選択の考え方、エネルギー政策など)について工学的な観点から論じさせる出題が続いていましたが、変更後はいわゆる4力学の基礎知識をそのまま問う筆記試験になります。数学・物理学の配点が120点から100点に下がり、専門科目が100点に増えたぶん、在籍校で4力学をどこまで履修しているかが有利不利に直結する設計です。

過去問を使うときの注意: 大学が公開している機械工学科の第3科目の過去問は、直近3年分がすべて旧制度の小論文です。現行の機械工学基礎の出題例はまだ公開されていないため、公開されている小論文を「現行の出題傾向」として対策すると準備の方向がずれます。当面は要項に示された出題範囲(熱力学・流体力学・材料力学・機械力学)に沿って、大学1、2年レベルの標準的な演習書で基礎を固めるのが現実的です。

2025年度に機械工学科へ合格したHRMさん(法政大学理工学部機械工学科から編入)は、編入後に学ぶ内容の中心が4力学であることを踏まえて、次のように振り返っています。

「編入後に学ぶ内容の中心は、材料力学・熱力学・流体力学・機械力学といったいわゆる4力学をはじめとする専門科目です。編入試験で課される数学や物理は、それらを学ぶための前提知識として当たり前のように使われています。」

— HRMさん(2025年度合格・機械工学科)の体験談より

応用化学科(募集3名):物理化学と物質化学

出願資格4学科共通ルール(短期大学卒業者・現役大学2年生は対象外)
第3科目化学(100点・90分)
出題範囲
(要項)
物理化学(統計力学を除く)/基礎物質化学(無機化学・有機化学・高分子化学・分析化学)
口頭試問の
ねらい(要項)
受験に至った動機・経緯、現在行っている学修内容、筆答試験問題に関する質疑応答などを行う
熱力学
9.9%
反応速度論
7.0%
化学平衡
7.0%
平衡定数
7.0%
圧平衡定数
7.0%
エントロピー
5.6%

過去問分析(各設問に付いた分野タグが、化学の設問全体に占める構成比)では、化学熱力学と化学平衡・反応速度論が出題の中心です。無機化学・有機化学・高分子化学・分析化学まで範囲は広いものの、知識を問うより計算させる比重が高いのが特徴です。2026年度に合格した3名の報告でも、大問4題の内訳は分析化学の滴定計算、反応速度論、有機の構造・組成に関する問題、化学熱力学(エンタルピー・エントロピー)という構成で共通していました。3名とも「知識問題が少なかった」「物理化学が得意だったので手応えがあった」と述べており、物理化学の計算を確実に取り切ることが得点戦略の軸になります。

2026年度合格のグミモンさん(中央大学理工学部応用化学科から編入)は、化学熱力学の基本式を「自力で授業を再現できるように何度も練習した」と振り返っています。同じく2026年度合格のかっちゃんさん(兵庫県立大学工学部応用化学工学科から編入)は「法則などは丸暗記ではなく、導出から求められるようにした」と書いており、導出の再現を対策の中心に置いた点が共通しています。編入後の視点として、かっちゃんさんは「高分子化学の内容は編入試験の過去問題に近いと思いました」とも述べています。

学科選びの目安

  • 短期大学在学中・現役大学2年生 → 出願できるのは電気電子工学科のみ。数学150点の比重が高いので、線形代数・微分積分を最優先で固める。
  • 高等専門学校から情報系を志望 → 工学部ではなくシステム情報学部の3年次編入。工学部との併願はできない。
  • 手を動かして描く作業が得意 → 建築学科。スケッチは当日その場で描くため、継続的な実技練習の時間が必要。
  • 文章で論じるのが得意 → 市民工学科。第3科目が小論文1本で100点。
  • 在籍校で熱力学・材料力学など機械系科目を履修済み → 機械工学科。2027年度から4力学の筆記になったため、履修状況がそのまま有利さになる。
  • 物理化学の計算に強い → 応用化学科。熱力学・化学平衡・反応速度論の計算演習を反復する。

併願戦略:単願か併願か

実質倍率3.42〜4.27倍という数字が示すとおり、また学科ごとの募集人員が3〜4名しかないことからも、不合格のリスクは常にあります。一方で、神戸大学工学部の筆記は数学(線形代数・微分積分)と物理学(力学・電磁気学)で400点中200〜250点を占めるため、同じ範囲を課す他大学との併願は追加負担が比較的小さくなります。合格者の実例から整理します。

  • 学内で3校分の準備をした例: アセロラさん(2026年度合格・応用化学科/立命館大学理工学部環境都市工学科から編入)は、神戸大学工学部応用化学科と神戸大学海洋政策科学部広島大学工学部の応用化学コースを受験し、工学部と海洋政策科学部に合格、広島大学は不合格でした(海洋政策科学部は辞退)。神戸大学のなかでも学部が違えば試験日が別なので、同じ大学で受験機会を増やせる場合があります。
  • 難関校と併願した例: るかさん(2026年度合格・高等専門学校から編入)は大阪大学基礎工学部のシステム科学科を併願し、大阪大学は不合格でしたが神戸大学に合格しています。「志望順位の低い大学が不合格でも本命に合格することはある」というアセロラさんの言葉とも重なります。
  • 単願で挑んだ例: HRMさん(2025年度合格・機械工学科)は「神戸大学で学びたい」という動機のもと神戸大学一本で挑戦し、合格しています。

併願先を選ぶときは、試験日の重なり英語の扱いを先に確認してください。神戸大学工学部の筆記は8月中旬で、英語は独立した筆記がなくTOEICのスコア提出です。英語の筆記試験を課す大学と併願する場合は、8月の直前期に英語の演習時間を確保する必要が出てきます。工学部とシステム情報学部は同一日程・同一会場なので、この2つの併願はできません。同系統の国立大学工学部を候補に入れる場合も、日程が重複していないかを要項で確かめてから対策計画に組み込んでください。

出題傾向(過去問分析)

数学と物理学は5学科共通の科目なので、この2科目への投資はどの学科を選んでも無駄になりません。オンライン編入学院の過去問分析から、頻出分野(各設問に付いた分野タグが、その科目の設問全体に占める構成比)を紹介します。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。

数学:線形代数、とくに固有値問題が最頻出

固有値
11.2%
固有ベクトル
6.2%
対角化
4.3%
重積分
3.9%
固有空間
3.5%
基底
3.1%

出題範囲は要項に「線形代数・微分積分」と明記されています。過去問分析では固有値・固有ベクトル・対角化・固有空間・基底といった線形代数の論点が突出しており、これに重積分・極座標変換・変数変換・偏微分・極値といった多変数の微積分が続きます。試験は90分で大問4題という構成が続いており、合格者3名の報告でも「線形代数2題・微分積分2題」という内訳が共通していました。

近年の傾向として、公式をそのまま当てはめるだけでは対応しにくい出題が見られます。合格者の報告では、行列の累乗を数列と結びつける問題、行列が対称かつ直交であることを示させる問題、関数空間でのベクトルの一次独立性を論理的に証明させる問題などが挙がっており、答えの数値だけでなく導出の筋道を書き切る記述力が問われます。学習の型としては、「編入数学徹底研究」で線形代数(固有値・対角化)と微分積分(重積分・偏微分)の主要分野を1周し、過去問演習で解答をゼロから再現できるまで反復するのが定石です。合格者からは「例年の過去問題と似たような問題が出題されたので、もっと過去問題に沿った勉強をすれば良かった」という反省も寄せられています。

物理学:力学と電磁気学がほぼ均等

円運動
4.3%
衝突
4.3%
放物運動
4.3%
反発係数
4.3%
電気容量
4.3%
エネルギー保存
3.9%

出題範囲は要項どおり「力学・電磁気学」で、試験は60分で大問2題、力学から1題・電磁気学から1題という構成が続いています。過去問分析でも両分野がほぼ均等で、力学は衝突・反発係数・エネルギー保存・円運動・放物運動、電磁気学は電気容量・電場・コンデンサ・電位差が繰り返し現れます。合格者の報告では、力学と電磁気学のいずれも複数の保存則を組み合わせて解く設定や、誘電体・電磁誘導を含む複合的な設定が出ています。

ただし、難易度は年によって上下します。2026年度入学の試験を受けた合格者は「例年に比べて少し複雑な状況設定で、かつ計算もかなりハードだったので完答した人は少ないと思う」「試験が終わったときに全員ため息をついていた」と振り返っており、別の合格者も「電磁気学は難しく、時間が間に合わなかったが、周りの合格した人も手こずっていたようだった」と述べています。難化した年は満点ではなく相対的な位置で決まるため、解ける問題を確実に取り切る姿勢が有効です。合格者からは「力学では万有引力に関する問題が数年おきに出ているため、一般的な力学だけでなくその分野も対策していた」という報告もありました。

過去問の入手と使い方

神戸大学工学部は過去の入試問題を工学部ホームページで公開しています。公開範囲は各科目の直近3年分で、毎年6月初旬に更新される予定と案内されています(一部、著作権にかかる部分は非公開)。合格者は「4月に見た時点では前年度分がまだ載っていなかった」と報告しているため、最新年度の問題が必要な場合は6月以降にもう一度確認してください。

模範解答は公開されていません。合格者はいずれも、教科書を参照しながら自分で解答を作る、在籍校の教員に質問する、生成AIの出力を教科書で検証するといった方法で答案を作っていました。あるグミモンさんは「AIも間違えることがあるので、必ず教科書などで確認し、間違っていたら何が間違っているのか議論するようにしていた」と述べており、答えを写すのではなく模範解答がない状態で自分の答えを組み立てる過程そのものが力になるという点で共通しています。

合格ロードマップ(時期別)

オンライン編入学院が取材した合格者6名の学習記録をもとに、標準的な対策の流れを時期別に示します。対策期間は約4か月から1年8か月まで幅があり、「これだけの期間が必要」という単一の正解はありません。順番のほうが参考になります。

  • 開始期:学科を決め、数学・物理学の基礎固め

    まず出願資格を確認し、志望学科を1つに絞ります。合格者の多くはこの時期に数学(線形代数・微分積分)と物理学(力学・電磁気学)の講義動画や入門書で全体像をつかんでいました。グミモンさんは対策開始から数か月かけて解析学・熱力学・線形代数・力学の講義を順に見終えたうえで「この時点では演習を積んでいないのでわかったつもり」と振り返っており、インプットのあとに演習を置く前提で計画を組んでいます。この時期の学習時間は1日1〜2時間程度という報告が中心でした。

  • 中期:TOEICの確定と第3科目のインプット

    英語はスコア提出方式なので、出願期間より前にスコアを確定させておく必要があります。合格者の提出タイミングは前年12月から出願直前の7月まで分かれていました。HRMさんはTOEICを2023年4月〜12月に集中させて850点を確保してから数学・力学・電磁気学のインプットに移行し、アセロラさんは約1年かけて680点から745点へ伸ばしています。並行して学科別の第3科目(小論文・電気回路・機械工学基礎・化学)の標準テキストを通読します。この時期の学習時間は平日2〜3時間・休日3〜6時間という報告が多く見られました。

  • 直前期:過去問演習口頭試問対策

    直前期は過去問演習に集中する受験生がほとんどでした。グミモンさんは「夏休みは基本過去問しか触れていない。数学と物理は10年分、化学は3年分を行い、理論の確認等を本番までひたすら行った」と報告しています。口頭試問対策としては、志望動機・志望研究室・興味のある研究領域を想定し、声に出して答える練習を重ねる例が目立ちました。かっちゃんさんは「面接の質問を予想して答えまでノートに書いて何度も暗唱した」と述べています。この時期の学習時間は平日3〜8時間・休日5〜12時間と幅がありました。

試験当日のチェックリスト

合格者の体験談から、当日の実務的な注意点をまとめます(時間割は年度により変わる可能性があるため、受験票と要項の記載を優先してください)。

  • 1日目(筆記): 9:00〜10:30数学、11:00〜12:00物理学、13:00〜第3科目という時間割です。数学と物理学の間には約30分の休憩がありますが、答案回収に時間がかかって着席したままになった年があると報告されています。トイレも混み合うため、休憩に入ったらまず動くのが安全です。
  • 2日目(口頭試問): 13時から受験番号順に呼ばれます。所要は5〜15分程度という報告が中心で、順番待ちの時間が長くなることもあります。質問の中心は志望動機と志望研究室で、志望する研究室の教員から直接、研究内容への理解や「他大学ではなく神戸大学である理由」を突っ込んで問われた例もあります。単位認定が不足した場合のリスクを承知しているかを確認された報告もありました。建築学科の志願者は作品等を持参できません。
  • 持ち物と体調: 筆記用具の予備を複数持参することを勧める報告があります(試験開始直後にシャープペンシルが不調になり、対応に10分ほど費やした例)。会場は夏でも冷えるため、羽織るものがあると安心という声もありました。
  • アクセス: 試験場の神戸大学工学部学舎へは、阪神「御影」駅・JR「六甲道」駅・阪急「六甲」駅から神戸市バス36系統で「神大本部工学部前」下車が最寄りです。坂道が急なため、バス停から歩く経路を選ぶと消耗します。複数の合格者が「バスを乗り継いで大学まで行ったほうがよい」「バス停から会場の建物への行き方がわからず在学生に教えてもらった」と報告しています。前日までに経路と建物の位置まで確認しておいてください。
  • 費用の目安: 合格者が申告した総額は約6.9万円から約76.5万円まで幅があり、差の大半は対策指導費です。検定料30,000円と出願関連費(証明書・レターパック等)、当日の交通費は最低限見込んでおいてください。

単位認定と編入後の実際

要項には「本学部に入学する前に在学した学校等において修得した単位については、本学部の定める基準に従って卒業要件単位として認定します。なお、卒業要件単位の認定結果によっては、2年間で卒業することができない場合があります」と明記されています。また在学できるのは4年までと定められています。ここは合格後の生活設計に直結するため、出願前に把握しておく価値があります。

オンライン編入学院に寄せられた4名の実例では、認定率は次のように分かれました。

合格者(学科)編入前の所持単位認定単位認定率
かっちゃんさん
(応用化学)
75単位66単位88%
Manjiroさん
(建築)
88単位66単位75%
HRMさん
(機械)
86単位58単位67%
アセロラさん
(応用化学)
87単位52単位60%

認定率の差は、編入前の専攻が編入先とどれだけ近いかで大きく変わっています。前籍でも応用化学系だったかっちゃんさんが88%だったのに対し、土木系から化学系へ移ったアセロラさんは60%で、本人も「土木系から化学系に編入したため、単位認定に関してはどうしようもありませんでした」と述べています。かっちゃんさんは「前の大学では教養科目が重視されていてよく受けていたが、編入すると教養科目はカウントされないので専門科目を中心に履修しておけばよかった」という具体的な反省を残しています。

HRMさんは単位不足で留年も経験したと振り返っており、Manjiroさんも「3年生は時間割がつめつめで大変です。覚悟を持って入学しましょう」と述べています。アセロラさんからは「神戸大学工学部は最近単位認定がしづらくなっているので、注意した方がいい」という指摘もありました。単位認定は入学後に大学が判断するものなので、出願前に確定させることはできません。在籍校で専門科目をできるだけ履修しておくこと、2年間で卒業できない可能性を前提に生活と学費の計画を立てておくことが、現実的な備えになります。

おすすめ参考書

オンライン編入学院の過去問分析で、神戸大学工学部の全学科共通科目(数学・物理学)の出題概念との対応が確認できた参考書を紹介します。学科別の第3科目(スケッチ・小論文・電気回路・機械工学基礎・化学)については、対応を確認できた書籍がなかったため掲載していません。在籍校の教科書と専門書、大学が公開している過去問で対策するのが基本になります。各カードをタップすると詳しいレビュー記事に移動できます。

合格者からは、「編入数学徹底研究」を線形代数・微分積分の例題と類題がほぼすべて解けるようになるまで繰り返した、「弱点克服 大学生の初等力学」を発展問題以外がほぼすべて解けるまで4周した、といった使い方が報告されています。一方で「大学院レベルまで扱う専門書は神戸大学工学部の数学に対しては少々オーバーワークだと思う」という指摘もありました。難しい本を増やすより、範囲の合う1冊を反復するほうが再現性が高いという点は、複数の合格者に共通しています。

合格者の声

Manjiroさん(2026年度合格・建築学科、国公立大学から編入)

熊本大学工学部土木建築学科から、約半年の対策で合格。2025年2月に対策を開始し、TOEICで810点を確保してから数学・物理学へ移り、7月以降はスケッチと小論文に重点を置きました。編入後は88単位のうち66単位(認定率75%)が認定されています。

「編入試験は友達や同級生の人と一緒に勉強を頑張ることができず、孤独な戦いとなるので、自分に合った学習環境を見つけて勉強に励むと良いと思います。」

— Manjiroさん(2026年度合格)の体験談より

Manjiroさんの体験談を読む

グミモンさん(2026年度合格・応用化学科、私立大学から編入)

中央大学理工学部応用化学科から編入。学費負担の大きさをきっかけに国公立大学への編入を決め、2024年4月から約1年4か月をかけて対策しました。TOEICは直前2週間の音読中心の学習で550点から770点まで伸ばしています。学習が止まった時期もありましたが、目標を家族や友人に宣言していたことが復帰の支えになったと振り返っています。

「あの時、誰にも言わずに一人で黙々と頑張っていたら心が折れていたと思います。応援してくれる家族や友人に目標を宣言しておいてよかったと感じました。」

— グミモンさん(2026年度合格)の体験談より

グミモンさんの体験談を読む

かっちゃんさん(2026年度合格・応用化学科、公立大学から編入)

兵庫県立大学工学部応用化学工学科から、2025年4月開始・8月本番という約4か月の対策で合格。提出したTOEICスコアは550点で、通学時間を有機化学・無機化学の復習に充てるなど、限られた時間の使い方を工夫していました。編入後は75単位のうち66単位(認定率88%)が認定されています。

「試験前は合格基準も曖昧で、常に不安かもしれませんが、緊張しすぎず、できる限り頑張ってみてください。」

— かっちゃんさん(2026年度合格)の体験談より

かっちゃんの体験談を読む

アセロラさん(2026年度合格・応用化学科、私立大学から編入)

立命館大学理工学部環境都市工学科から編入。土木系から化学系への転向で、2024年4月から約1年4か月かけて対策し、神戸大学工学部応用化学科と神戸大学海洋政策科学部に合格(海洋政策科学部は辞退)、広島大学工学部は不合格でした。TOEICは680点から745点へ。編入後の認定率は60%です。

「私のように志望順位の低い大学が不合格だったとしても、本命の大学に合格することは全然可能なので、受験生の皆さんは最後の試験まで諦めずに勉強し続けてもらえたらなと思っています。」

— アセロラさん(2026年度合格)の体験談より

アセロラさんの体験談を読む

HRMさん(2025年度合格・機械工学科、私立大学から編入)

法政大学理工学部機械工学科から約1年4か月の対策で合格。TOEICを2023年内に850点まで伸ばしたあと、数学・力学・電磁気学に専念しました。編入後は86単位のうち58単位(認定率67%)が認定され、単位不足で留年も経験したと振り返っています。※HRMさんの受験時、機械工学科の第3科目は小論文でした。2027年度入試から機械工学基礎に変更されています。

「編入後に学ぶ内容の中心は、材料力学・熱力学・流体力学・機械力学といったいわゆる4力学をはじめとする専門科目です。編入試験で課される数学や物理は、それらを学ぶための前提知識として当たり前のように使われています。」

— HRMさん(2025年度合格)の体験談より

HRMさんの体験談を読む

るかさん(2026年度合格・情報知能工学科、高専から編入)

高等専門学校 制御情報工学科から、大阪大学基礎工学部(不合格)と併願して合格。TOEICは617点から835点まで段階的に伸ばしています。口頭試問は試験官7名ほどで和やかな雰囲気だったといい、志望動機では具体的な研究室を挙げて現在の研究と結びつけて答えたと報告しています。※工学部の情報知能工学科は、システム情報学部への改組に伴い2027年度入試から募集を停止しています。情報系を志望する高等専門学校の方は、システム情報学部の3年次編入学試験が対象になります。

「学習する教科を早く絞るべきではなかった。時間はたくさんあったので、波動や電磁気、化学なども捨てなければ大学の選択肢が広がったと思う。」

— るかさん(2026年度合格)の体験談より

るかさんの体験談を読む

佐藤さん(2024年度合格・応用化学科)

私立大学(理系)からの編入。

「特になし。強いて言えば、編入はメンタル戦なので、追い詰めすぎず息抜きを大切にしてほしいということです。」

— 佐藤さん(2024年度合格)の体験談より

佐藤さんの体験談を読む

よくある質問

神戸大学工学部の編入試験は、どの学科に出願すればいいですか?

まず出願資格で絞り込みます。短期大学卒業(見込み)の方と大学2年在学中の方が出願できるのは電気電子工学科だけです。そのうえで学科別の第3科目から選びます。数学・物理学は5学科共通なので、差がつくのは第3科目です。絵を描く技能に自信があればスケッチと小論文の建築学科、文章で論じるのが得意なら小論文の市民工学科、交流回路や過渡現象の計算が得意なら電気電子工学科、熱力学・材料力学など機械系の基礎を履修済みなら機械工学科、物理化学の計算に強ければ応用化学科が候補になります。

神戸大学工学部の情報知能工学科に編入することはできますか?

できません。神戸大学工学部は「情報知能工学科についてはシステム情報学部への改組に伴い、募集を停止します」と公表しており、2027年度(令和9年度)入試から工学部での情報知能工学科の3年次編入学試験は実施されません。代わりにシステム情報学部が2027年度入学から3年次編入学試験の募集を始めました。募集人員はシステム情報学科3名で、出願資格は高等専門学校を卒業した方または卒業見込みの方に限られます。工学部から出願資格が引き継がれているわけではないため、高専生以外の方は出願できない点に注意してください。

短期大学卒業や大学2年生でも神戸大学工学部の編入試験を受けられますか?

電気電子工学科だけが受けられます。神戸大学工学部は2027年度入試から建築学科・市民工学科・機械工学科・応用化学科の出願資格を変更し、この4学科では「大学に2年以上在学し62単位以上を修得」と「短期大学卒業(見込み)」の2つのルートが廃止されました。現在この4学科に出願できるのは、大学卒業(見込み)・大学評価学位授与機構の学位・高等専門学校卒業(見込み)・外国での相当資格のいずれかに該当する方です。電気電子工学科だけは変更されず、短期大学卒業(見込み)と大学2年以上在学かつ62単位以上のルートが残っています。

神戸大学工学部の編入試験に面接はありますか?

「口頭試問」という名称で、筆記試験の翌日に全学科で実施されます。合格者の選考は学力検査(筆記試験・口頭試問)と出身校の成績を総合して判定され、口頭試問そのものは合格・不合格の二段階でのみ判定されます。指定された筆記試験と口頭試問を1つでも受験していない場合は選考の対象になりません。合格者の報告では、志望動機と志望研究室を軸に5〜15分程度で終わった例が多く、志望する研究室の研究内容まで踏み込んで質問された例もあります。建築学科の志願者は、口頭試問に作品等を持参することが認められていません。

TOEICは何点あれば神戸大学工学部に編入合格できますか?

大学は合格基準点を公表していません。オンライン編入学院が取材した合格者6名の提出スコアは550点・745点・770点・810点・835点・850点で、幅がありました。英語はTOEIC Listening & Reading公開テストのスコアのみが有効で、100点満点として配点されます。公式認定証による提出は受け付けられず、TOEIC申込サイトの「公開テスト スコア確認サービス」から申請コードを入力して提出する方式です。団体受験のIPテストと日本国外で受験したスコアは認められません。

神戸大学工学部の編入試験の倍率はどのくらいですか?

神戸大学工学部の学生募集要項に「入試状況(過去3年分)」として全学科合計の実績が掲載されています。実質倍率(受験者数÷合格者数)は2024年度が3.42倍、2025年度が4.27倍、2026年度が3.56倍でした。学科別の内訳は公表されていません。合格者数は毎年26〜31名で、募集人員(2027年度は17名)を上回っています。一方で入学者数は18〜29名にとどまり、合格しても入学しない受験生が毎年いることが読み取れます。

神戸大学工学部の編入試験の対策はいつから始めるべきですか?

オンライン編入学院が取材した合格者の対策期間は約4か月から1年8か月まで幅がありました。共通しているのは、まず数学(線形代数・微分積分)と物理学(力学・電磁気学)という全学科共通科目から着手している点です。英語はTOEICのスコア提出方式なので、出願期間の前にスコアを確定させておく必要があります。学科別の第3科目と口頭試問対策は直前期に厚くする受験生が多く見られました。大学1〜2年生のうちに志望学科を決め、共通科目の基礎固めから始めるのが目安です。

神戸大学工学部の編入試験に志望理由書の提出は必要ですか?

募集要項の出願書類一覧に志望理由書は含まれておらず、合格者の体験談でもいずれも「提出はなかった」と報告されています。提出書類は顔写真データ・検定料・成績証明書・卒業(見込)証明書または在学期間証明書・出願登録および出願書類確認表が全志願者共通で、在職中の方は受験許可書、日本に在留している外国人の方は住民票が加わります。書類として志望動機を提出しない分、口頭試問で直接問われるため、話して伝える準備が必要です。

まとめ

神戸大学工学部の編入試験は、「学科ごとに出願資格・試験科目・配点が異なる」という構造を理解することが対策の出発点になります。数学(とくに線形代数の固有値問題)と物理学(力学・電磁気学)は5学科共通なので、この2科目への投資はどの学科を選んでも無駄になりません。一方で第3科目は、建築のスケッチと小論文、市民工学の小論文、電気電子の電気回路、機械の4力学、応用化学の物理化学と大きく異なります。

そして2027年度入試での変更を見落とさないことが、この大学ではとくに重要です。情報知能工学科は募集を停止してシステム情報学部(高等専門学校卒業者限定・3名)へ移り、建築・市民工学・機械・応用化学の4学科では短期大学卒業者と大学2年在学者の出願ルートが廃止され、機械工学科の第3科目は小論文から機械工学基礎に置き換わりました。古い情報のまま準備すると、出願できない、あるいは廃止された科目を対策することになります。

2027年度の出願は2026年7月8日で終了しています。2028年度(令和10年度)の4月入学を目指す方は、例年4月中旬ごろに公表される次年度の募集要項と、それより早く出ることがある変更告知の両方を工学部の入試情報ページで確認してください。そのうえで、まずは自分が出願できる学科を確定させ、数学・物理学の基礎固めとTOEICのスコア確保から今日はじめてください。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)

本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は大学が公表する募集要項と変更告知をもとに毎年度確認し、出題傾向はオンライン編入学院の過去問分析に、合格者の声はオンライン編入学院に寄せられた合格体験談にもとづいています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ

最終更新: 2026年8月6日

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