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豊橋技術科学大学工学部

豊橋技術科学大学工学部の編入試験対策|倍率・出題傾向・課程の選び方

2027年度(2027年4月入学)の出願期間
2026年4月13日〜2026年5月8日
出願前に必ず大学の最新の募集要項でご確認ください。

豊橋技術科学大学工学部の第3年次入学は、5課程あわせて募集人員360名という大きな枠で行われます。入試区分は推薦・学力・外国人留学生・社会人の4つで、内訳は推薦179名・学力181名(外国人留学生入試分と社会人入試分を含む)です。推薦入試は高等専門学校を卒業見込みの人に限られますが、学力入試には「大学に2年以上在学し65単位以上を修得」という出願資格が置かれており、4年制大学に通っている人も出願できます。試験は6月下旬の1日で完結し、英語150点・国語100点・応用数学100点・志望課程別専門科目150点の500点満点。応用化学・生命工学課程だけは専門科目の筆記に代えて面接が課されます。大学が公表している選抜状況では、学力入試の倍率(受験者数÷合格者数)は5年間で2.7倍から1.7倍へ下がってきました。この記事では、募集要項の原本と大学公表の選抜状況をもとに、出願できるかどうかの判定、区分ごとの設計、専門科目の選び方、科目別の対策までを整理します。

出願資格は大学ごとに条件が細かく分かれます。短大・高専・専門学校・大学在学中で扱いが変わり、英語資格が要る大学もあります。自分が出願できるかどうかは、条件を1つずつ突き合わせないと分かりません。

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試験概要(2027年4月入学の実施実績)

令和9年度(2027年4月入学)

360名募集人員(4区分計)
2026年6月27日学力入試の試験日
2026年4月20日〜5月8日願書受付期間
入学年次第3年次(3年次編入)
入試区分①推薦入試 ②学力入試 ③外国人留学生入試 ④社会人入試
(このほかに、連携高専の専攻科生を対象とする「先端融合テクノロジー連携教育プログラム」が別要項で実施されます)
募集課程機械工学課程電気・電子情報工学課程情報・知能工学課程応用化学・生命工学課程建築・都市システム学課程
学力入試の試験科目英語150点(聴き取りを含む90分・マークシート)/国語100点(60分)/応用数学100点(60分)/志望課程別専門科目150点(90分)=500点満点
※応用化学・生命工学課程は専門科目に代えて面接150点
出願方法インターネット出願登録(2026年4月13日9時〜5月7日19時)のうえ、出願書類を郵送。持参は不可
合格発表推薦入試 2026年6月8日/学力・外国人留学生・社会人入試 2026年7月17日
検定料30,000円
入学料・授業料入学料282,000円/授業料 年額535,800円(前期分267,900円)
試験会場豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1)

2027年4月入学の日程はすでに終了しています。2028年4月入学を目指す方は、次年度の募集要項を待つことになります。大学が公表した入学者選抜日程では、第3年次の募集要項は例年2月下旬に配付されています。日程・科目・出願資格は年度によって変わるため、公表され次第、必ず原本で確認してください。

科目と日程が分かっても、いまの学習量で間に合うか、何を先にやるかは人によって変わります。併願先との重なりも、組み合わせ次第で負担が大きく変わります。

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あなたは出願できるか|在籍先ごとの判定

豊橋技術科学大学は高等専門学校の卒業生を第3年次に受け入れることを主眼に設計された大学です。そのため「高専生でないと受けられないのでは」と考えて候補から外してしまう人がいますが、募集要項の出願資格を最後まで読むと、対象はもっと広く取られています。区分ごとに整理します。

今の在籍先推薦入試学力入試確認しておくこと
高等専門学校(本科5年)推薦は在籍学科ごとに志望できる課程が決まっています
4年制大学(2年以上在学)×65単位以上の修得(見込み可)。在学証明書と在籍期間証明書が必要
短期大学×卒業または卒業見込み。高等学校の調査書も提出
専修学校の専門課程×修業年限2年以上かつ総授業時間数1,700時間以上の課程であること
高等学校等の専攻科×修業年限2年以上で文部科学大臣の定める基準を満たす課程
外国の短期大学・14年課程出願資格の事前照会が必要(締切が出願期間より早い)

大学生が出願するときの要点

学力入試の出願資格には「大学において2年以上(休学期間を除く)在学し、65単位以上を修得した者および入学年の3月31日までに修得見込みの者」という区分が置かれています。「入学年の3月31日に2年以上在学となる者を含む」とも書かれているため、2年生の3月に在学2年ちょうどで卒業要件を積み上げている人も対象になります。

65単位という数字は、この「大学に2年以上在学」の区分にだけかかる要件です。高専卒業や短期大学卒業で出願する人には別の単位要件はありません。データベースなどで「必要単位65単位」とだけ書かれているのを見て、すべての受験者に共通する条件だと誤解しないでください。

出願時点で65単位に届いていない場合は、履修中の科目と単位数を明記した履修科目証明書を出すことで出願できます。後学期に履修予定の科目が証明書で示せない場合は、科目名と単位数を書いて本人が署名・捺印した書類を添えるという扱いも要項に明記されています。あわせて在学証明書(発行日は願書受付期間内)と、在籍期間・休学期間が確認できる在籍期間証明書が必要です。発行日の指定がある書類は、出願期間に入ってからでないと取得できません。大学の教務窓口の混み具合を見て、受付開始日にすぐ動けるよう段取りしておくのが安全です。

推薦入試は高専生に限られる

推薦入試の出願資格は、日本国内の高等専門学校(商船学科を除く)を当年度に卒業見込みの人などに限定されています。在学中の成績が上位に属し、出身学校長の推薦を受けられることが条件で、合格した場合は入学を確約する必要があり、辞退はできません。他の国公立大学の推薦入試との重複受験も認められていません。

さらに、推薦入試では志望できる課程が在籍学科によって決まります。募集要項の巻末には全国の高専の学科・コースごとに、どの課程を志望できるかを示した対応学科表が置かれており、機械系の学科から電気・電子情報工学課程へ、といった組み合わせが認められないケースがあります。大学の入試FAQでも、出願サイトで志望課程を選べないというエラーが起きる原因としてこの対応学科表が挙げられています。一方で学力入試の課程選定には対応学科表による制限が書かれておらず、あとで述べる専門科目の選び方によって志望できる範囲が決まる仕組みです。学科と課程の対応で推薦が使えない場合でも、学力入試なら道が残ると考えて構いません。

商船学科の人は1年前に出願する

募集要項の表紙には、通常の年度に加えて「商船高等専門学校および高等専門学校の商船学科の卒業見込者」向けの案内が併記されています。商船学科は卒業時期が異なるため、翌々年の4月入学を目指す人が同じ回の出願期間に手続きをする形になっています。商船学科に在籍している人は、一般的な高専生よりも1年早く準備を始める必要があるので、進路指導の先生と早い段階で確認してください。

社会人入試という選択肢

高等専門学校等を卒業したあと企業等に2年程度以上勤務し、勤務成績が優秀であると所属長に認められ、在職のまま入学を希望する人は社会人入試の対象になります。募集人員は全課程「若干名」です。試験は英語・国語・応用数学までは学力入試と同じで、志望課程別専門科目の筆記に代えて、工学基礎と提出した業績報告書の内容についての口述試験および面接が150点で行われます。出願書類として、所属長の推薦書・業績報告書(1,000字以内)・受験承諾書・面接票が追加で必要です。

募集人員360名の内訳を正しくつかむ

豊橋技術科学大学工学部の第3年次募集について「181名」という数字だけが出回っていることがありますが、これは学力入試だけの募集人員です。要項の募集人員表を読むと、推薦入試179名が別にあり、合計は360名になります。推薦と学力では出願できる人がまったく違うので、この内訳を取り違えると準備の前提が崩れます。

課程募集人員推薦入試学力入試外国人留学生社会人
機械工学課程954748若干名若干名
電気・電子情報工学課程804040若干名若干名
情報・知能工学課程804040若干名若干名
応用化学・生命工学課程552728若干名若干名
建築・都市システム学課程502525若干名若干名
合計360179181若干名若干名

出典: 豊橋技術科学大学「令和9年度 第3年次学生募集要項」Ⅰ. 募集人員。学力入試の募集人員には外国人留学生入試分と社会人入試分が含まれ、推薦入試の募集人員には日本留学試験を課す選抜の分が含まれます。

このほか、連携する6つの高専(富山・長野工業・岐阜工業・沼津工業・鈴鹿工業・奈良工業)の専攻科生を対象とした先端融合テクノロジー連携教育プログラムが別の募集要項で実施されています。募集人員は連携高専の専攻科ごとに若干名で、選抜は書類選考のみ。合格すると豊橋技術科学大学と連携高専専攻科の双方に在籍し、両方の課程を修了することで学士の学位記と専攻科の修了証書の両方が交付されます。検定料が免除、入学料が半額免除、3年次の授業料も半額免除という費用面の優遇もあります。出願期間は6月19日から6月29日で、本体の入試より約1か月半あとです。

難易度と倍率|大学公表データで見る

豊橋技術科学大学は「第3年次入学者選抜状況(総表)」として、入試区分別・課程別に募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・入学者数を公表しています。5年分がまとまっているため、傾向を年ごとに追うことができます。ここでは受験者数÷合格者数で倍率を計算します(実際に試験を受けた人のうち何人に1人が合格したか、という見方です)。

学力入試と推薦入試の倍率の推移

3.0倍 2.5倍 2.0倍 1.5倍 1.0倍 2022 2023 2024 2025 2026 2.69 2.70 2.02 2.12 1.67 1.20 1.29 1.21 1.32 1.23 学力入試 推薦入試 (各年4月入学)
入学年度区分募集人員志願者受験者合格者入学者倍率
2022年4月学力149615473176752.69
2023年4月学力149537402149582.70
2024年4月学力1815204132041002.02
2025年4月学力181510373176982.12
2026年4月学力1814633342001181.67
2022年4月推薦1613303302752741.20
2023年4月推薦1613743742902861.29
2024年4月推薦1793793793123121.21
2025年4月推薦1794024023053031.32
2026年4月推薦1793693692992991.23

出典: 豊橋技術科学大学「第3年次入学者選抜状況(総表)」(令和4年度〜令和8年度)。倍率は受験者数÷合格者数で編入総研が計算したものです。表の年度は入学年度です。推薦入試は書類選考のみのため志願者数と受験者数が一致します。2023年4月入学以前は募集区分の構成が現在と異なり、上表の推薦・学力とは別にGAC枠が置かれていました。

この数字から読み取れること

学力入試の倍率は5年で大きく下がっています。2022年4月入学と2023年4月入学が2.7倍前後だったのに対し、2026年4月入学は1.67倍です。志願者数が615名から463名へ減る一方、募集人員が149名から181名へ増えたことが背景にあります。ただし、これは「合格しやすくなった」という意味ではなく、合格ラインの目安が下がったかどうかは点数開示がなければ分かりません。合格者数そのものは176名から200名へ増えているので、枠が広がった年度が続いている、という読み方が正確です。

推薦入試の倍率は5年間ほぼ動いていません。1.20〜1.32倍のあいだで推移しており、志願した人の4人に3人前後が合格しています。推薦は書類選考のみで、合格すると入学を辞退できないため、出願段階で志望が固まっている人だけが集まる構造です。数字の上では通りやすく見えますが、そもそも学校長の推薦を受けられる成績上位者しか出願できない点を差し引いて考えてください。

学力入試の合格者のうち、実際に入学するのは半数強です。2026年4月入学は合格200名に対し入学118名(約59%)、2025年4月入学は176名に対し98名(約56%)、2024年4月入学は204名に対し100名(約49%)でした。募集人員181名に対して200名の合格を出しているのは、この辞退を織り込んでいるためと考えられます。併願先を持っている受験生が多いことの裏返しでもあります。

課程別の倍率(学力入試・3年分)

課程2024年4月2025年4月2026年4月
機械工学課程1.53(75/49)1.61(79/49)1.48(71/48)
電気・電子情報工学課程1.82(69/38)1.86(67/36)1.78(73/41)
情報・知能工学課程3.86(166/43)3.76(128/34)1.96(88/45)
応用化学・生命工学課程―(43/48)1.62(47/29)1.08(43/40)
建築・都市システム学課程2.31(60/26)1.86(52/28)2.27(59/26)

かっこ内は受験者数/合格者数。大学は「第2志望課程から合格者を出すこともあるので、課程によっては受験者数より合格者数が多くなる場合もある」と注記しています。応用化学・生命工学課程の2024年4月入学はこれに該当し、受験者43名に対して合格者48名となったため倍率を計算していません。課程別の数字は第2志望からの合格を含むため、課程ごとの通りやすさをそのまま比べる指標にはなりません。

課程別に見ると、情報・知能工学課程が突出して志願者を集めていたことが分かります。2024年4月入学は志願207名・受験166名で合格43名、2025年4月入学も受験128名で合格34名と、3.8倍前後の年が2年続きました。ところが2026年4月入学は受験88名・合格45名で1.96倍まで下がっています。志願者数が207→168→126と減り続けているためで、情報系志望者の動きが年ごとに大きい課程だと言えます。

逆に応用化学・生命工学課程は5年を通じて最も低い水準です。この課程だけ専門科目が筆記ではなく面接であるため、他課程の専門筆記に自信がない受験生が集まりやすい一方、第2志望として受け入れる側にも回るという構造の違いがあります。建築・都市システム学課程は2倍台の年が多く、募集人員25名に対して合格者が26〜28名にとどまるため、5課程のなかでは合格枠が小さい課程です。

選抜の設計|4区分の配点と時間割

試験は6月下旬の土曜日1日で終わります。区分によって受験する科目が違うので、自分の時間割を先に押さえておきましょう。

区分英語国語応用数学専門/面接合計
学力入試(応用化学・生命工学課程を除く)150100100専門科目150500
学力入試(応用化学・生命工学課程)150100100面接150500
外国人留学生入試150免除100専門科目または面接150400
社会人入試150100100口述試験および面接150500
推薦入試学力検査なし。推薦書・調査書等による書類選考のみ
時間科目
9:00〜10:30英語(聴き取りを含む90分)
11:00〜12:00国語(60分)※外国人留学生入試は免除
13:00〜14:00応用数学(60分)
14:30〜16:00志望課程別専門科目(90分)
14:30〜面接(応用化学・生命工学課程)/口述試験および面接(社会人入試)

試験室への入室開始は8時、着席は試験開始15分前までです。机上に置けるのは受験票・鉛筆・シャープペン・消しゴム・直定規・計時機能だけの時計・メガネ・目薬・ティッシュペーパーだけで、電卓や計算機能のある時計は使えません。試験開始後20分を過ぎると入室が認められない点にも注意してください。当日は食堂が利用できないため、昼食は持参が推奨されています。

推薦で不合格でも学力入試を受けられる

推薦入試と学力入試は、実質的に1回の出願で二段構えにできます。募集要項には、推薦入試で合格とならなかった人のうち、出願登録の「受験希望の有無」欄をあらかじめ「有り」にしていた人に限り、学力入試または外国人留学生入試を併願受験できると書かれています。この場合、出願書類の再提出も検定料の再納入も不要です。ただし推薦入試で第2志望課程に合格した場合は、併願を希望していても学力入試を受験できません。

この仕組みがあるため、推薦の合格発表(6月8日)から学力入試(6月27日)までの3週間弱をどう使うかが、高専生にとっての現実的な設計になります。推薦で確実に決まる保証はないので、出願登録の時点で併願希望を「有り」にしておき、推薦の結果が出るまでは学力入試を前提に勉強を続けるのが安全です。推薦の結果が出てから対策を始めても間に合いません。

成績開示で次の一手が見える

豊橋技術科学大学は、志願者本人からの請求にもとづいて第3年次入学者選抜の試験成績を開示しています。直近の実施では請求期間が9月1日から9月11日(必着)で、受験票・開示願・返信用レターパックライトを郵送する方式でした。開示されるのは学力検査(筆記試験)の科目別得点で、面接の得点と調査書等の書類審査は対象外です。不合格だった場合に、英語・国語・応用数学・専門科目のどこで差がついたかが分かるため、翌年に再挑戦する人や、同種の試験を受ける人にとって価値があります。試験が終わった時点で開示請求の日程を控えておいてください。

志望課程別専門科目の選び方

学力入試と外国人留学生入試では、出願時に専門科目を1つ選びます。ここが豊橋技術科学大学工学部の受験設計でいちばん考えどころになる部分です。選んだ科目によって、第2志望にできる課程の範囲が変わります。

コード科目解答のしかた
機械工学に関する基本的専門科目水力・流体力学/熱力学/材料力学/加工学・材料学の4問すべてに解答
電気・電子情報工学に関する基本的専門科目電磁気/電気回路/電子回路/情報通信/物理化学から3問を選択
情報・知能工学に関する基本的専門科目数学(解析・線形代数・確率統計を含む)/離散数学(論理回路を含む)/データ構造とアルゴリズム(プログラミングを含む)から出題
建築学に関する基本的専門科目構造/環境/計画の3分野から出題
土木工学に関する基本的専門科目構造/水理/土木計画の3分野から出題
面接志望動機・勉学意欲・基礎学力・論理的な思考力および表現力等を総合的に評価
第1志望課程第2志望課程選べる専門科目
機械工学課程第2志望なし①〜③から1科目
電気・電子情報工学課程②のみ
情報・知能工学課程/応用化学・生命工学課程①〜③から1科目
電気・電子情報工学課程第2志望なし/機械/情報・知能/応用化学・生命②のみ
情報・知能工学課程第2志望なし①〜⑤から1科目
機械工学課程①〜③から1科目
電気・電子情報工学課程②のみ
応用化学・生命工学課程①〜⑤から1科目
建築・都市システム学課程④または⑤
応用化学・生命工学課程第2志望は選べません⑥(面接)
建築・都市システム学課程第2志望なし/情報・知能工学課程④または⑤

出典: 令和9年度 第3年次学生募集要項「志望課程別専門科目表」。応用化学・生命工学課程を第2志望とする人は、同課程で実施する面接を受ける必要はありません(第1志望課程で課している専門科目の筆記試験の受験で代えられます)。

この表から決められること

第一に、電気・電子情報工学課程を第1志望にする人に選択の余地はありません。どの組み合わせでも②に固定されます。電磁気・電気回路・電子回路・情報通信・物理化学の5分野から3問を選ぶ形式なので、5分野すべてを仕上げる必要はなく、得意な3分野を確実にすることが対策の軸になります。

第二に、応用化学・生命工学課程を第1志望にすると、第2志望を出せません。専門科目が面接(⑥)に固定されるためです。筆記の専門対策がいらない代わりに、この課程に一本で勝負することになります。逆に、他課程を第1志望にして応用化学・生命工学課程を第2志望に置く形なら、面接を受けずに第1志望の専門筆記だけで両方の判定を受けられます。化学系の学科出身でも、専門筆記に自信があるなら他課程を第1志望に据えて応用化学・生命工学課程を第2志望にする、という設計が制度上は可能です。

第三に、情報・知能工学課程を第1志望かつ第2志望なしにすると、①〜⑤のどれでも選べます。機械系の学科にいながら情報・知能工学課程を目指す人が、慣れた①機械工学で受験するという選び方ができるということです。ただし合格後に学ぶのは情報・知能工学の専門なので、入学後の学習負荷まで含めて考える必要があります。

第四に、建築・都市システム学課程は④建築学と⑤土木工学のどちらでも受験できます。この課程は建築分野と社会基盤分野の両方を扱う設計になっており、入学者受入方針でも「建築学、土木工学の専門科目とともに、数学、理科、国語、英語」の理解が望まれるとされています。高専で建築学科にいた人は④、環境都市工学科・建設システム工学科にいた人は⑤を選ぶのが自然です。

科目別の対策

豊橋技術科学大学は、過去の入試問題を公式サイトの「過去の入試問題」ページで公開しています。直近年度は解答例に加えて、科目ごとの「出題の意図」まで公開されているのが大きな特徴です。以下の傾向は、その公表資料と募集要項をもとに整理したものです。著作権の観点から、過去問の設問そのものは記載していません。

英語(150点・最大の配点)

500点満点のうち150点を占める、いちばん配点の大きい科目です。解答用紙はマークシートで、大問は聴き取りテストを含めて5問。全問解答が求められます。試験時間は90分で、そのなかに聴き取りが含まれます。

大学が公表した出題の意図によれば、読解問題は科学記事を集めたオンラインの媒体から出典が取られており、科学・健康・環境といったテーマの文章が使われています。設問は、本文の特定箇所の理解を測る正誤判定、本文中の語彙の知識を問う選択問題、語や句を論理・文法・構文の面で適切に使う力を測る選択問題、文章全体の要旨を問う多肢選択という構成です。ほかに、日常的な語やフレーズの運用力を測る多肢選択、日本語のモデルにもとづいて英文を構成する力を測る問題が置かれています。聴き取りは読み上げられた文章全体の要旨をつかむ選択問題で、直近年度は会話文が1つと説明文が2つでした。

対策としては、①理系トピックの英文を読み慣れること、②語彙・語法・文法の選択問題を速く正確に処理すること、③マークシート形式に慣れること、④聴き取りを日常の学習に組み込むこと、の4点になります。外部試験のスコア提出を出願資格や加点にする仕組みは募集要項に置かれていませんので、TOEICのスコアそのものが点数になるわけではありません。ただし出題形式が近いので、TOEIC対策の教材が実質的な演習材料になるという合格者の報告もあります。聴き取りが含まれることは要項にも問題冊子にも明記されているため、「編入の英語に聴き取りはない」という思い込みで準備を始めないでください。

国語(100点)

国語が独立した科目として100点分課される点は、工学系の編入試験としては珍しい設計です。外国人留学生入試だけが免除で、学力入試と社会人入試では全員が受験します。

直近年度は大問が3問で全問解答、問題冊子は表紙と草稿用紙を含めて19枚、解答用紙は7枚という規模でした。出題の意図によると、【一】は新書からの抜粋を用いた評論文の読解で、前半は語彙の知識と文法構成の理解、中盤は筆者の表現が意味することを簡潔につかめているか、後半は筆者の主張の理由を読み取れているかを問う設計になっています。【二】は二字熟語の知識、【三】は故事成語・ことわざの意味の理解を確認する問題でした。

つまり、評論文の読解に加えて、熟語・故事成語・ことわざといった知識問題が独立して置かれているのがこの科目の形です。読解だけを練習していると知識問題で取りこぼします。逆に言えば、知識問題は短期間でも積み上げやすいので、直前期に得点を伸ばしやすい部分でもあります。なお大学は、令和8年度(2026年4月入学)の国語で出題ミスがあったことを公表し、該当問題を全員正解として扱う対応を取っています。こうした告知は入試情報のページに掲載されるので、受験後もしばらくは確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

応用数学(100点)

専門科目のうち、全課程共通で課されるのが応用数学です。直近年度は大問3問で全問解答、問題冊子は表紙と草稿用紙を含めて5枚、解答用紙は3枚。解答は必ず解答の過程を書き、結論を明示することが求められる記述式です。

出題の意図によれば、直近年度の構成は次のとおりでした。[1]は行列についての基礎問題で、行列式の値・逆行列・固有値と固有ベクトルの計算力を見る内容。[2]は1変数関数・2変数関数の微分積分で、2変数関数の極値の判定条件を理解しているか、1変数の積分と2変数の重積分を計算できるかを問う内容。積分領域をうまく書き換える必要がある小問が置かれ、論理的思考力も測るとされています。[3]は確率と微分方程式で、誘導に従えば解ける設計になっているとの説明がありました。

複数年の出題を並べると、行列・線形代数、微分積分(偏微分・重積分を含む)、確率、微分方程式という4本柱が繰り返し現れます。編入試験の数学として標準的な範囲ですが、60分で大問3問を過程まで書き切る必要があるため、計算の速さと答案の書き方が点差になります。合格者からも「数学は早めに取り組んだほうがいい」という声が出ています。

①機械工学(150点)

水力・流体力学、熱力学、材料力学、加工学・材料学の4問がすべて出題され、選択の余地なく全問に解答します。いわゆる「4力」をひととおり仕上げないと戦えない科目です。

出題の意図によれば、直近年度の流体力学は質量保存則(連続の式)、エネルギー保存則(ベルヌーイの式)、運動量保存則の理解を確かめる基本問題で、異なる径の円管を通る非圧縮性流体や曲管を通る流体の運動量変化が題材でした。熱力学は、面に作用する力と圧力の関係、理想気体の状態方程式、比熱比の定義、マイヤーの関係式といった基本事項の理解を確認したうえで、定圧・定容変化での熱と仕事のやり取り、可逆断熱変化での圧力と体積の関係、サイクルにおける熱と仕事の保存へと進む構成でした。材料力学は丸棒のねじりに関する不静定問題で、ねじりモーメントとねじれ角の関係の理解が問われています。問題文が長めで、読解して確実に解答する力も見るとされている点が特徴です。

②電気・電子情報工学(150点)

電磁気・電気回路・電子回路・情報通信・物理化学の5分野から3問を選択して解答します。5分野すべてを均等に仕上げる必要はなく、確実に得点できる3分野を作ることが戦略になります

直近年度の出題の意図では、一様磁界中で導体棒を一定速度で動かしたときの電磁現象を題材に、誘導起電力の大きさと向きを数式だけでなく現象として理解しているか、閉回路で生じる損失(消費電力)を電気抵抗を使って正確に求められるか、導体棒に働く電磁力を打ち消すために必要な力を、誘導電流と磁界から計算できるかを見る、という設計が示されています。公式の暗記ではなく現象の理解を確認する方向性が明記されているので、答案でも「なぜそうなるか」を書けるようにしておくとよいでしょう。

③情報・知能工学(150点)

数学(解析・線形代数・確率統計を含む)、離散数学(論理回路を含む)、データ構造とアルゴリズム(プログラミングを含む)から出題されます。この出題範囲は2027年4月入学の選抜から改められたもので、それ以前は「数学(解析・代数・確率)、論理回路およびプログラミング(データ構造とアルゴリズムを含む)」という書き方でした。範囲の呼び方が変わり、線形代数・確率統計・離散数学が明示された形です。

直近年度の出題の意図では、多変数関数の最小化のためのニュートン法とその計算を題材に、多変数関数の停留点、三階微分、行列式、逆行列、方程式の解、数列の極限、幾何学的確率と積分といった基礎事項の理解を確認する構成が示されています。加えて、C言語で書かれたプログラムとその解説文の空欄を埋めさせることで、プログラムを読解し作成する基礎力と、ハッシュ法・線形リスト・ポインタ・ダブルポインタ・演算子の優先順位と結合性の理解を確認する問題、そして論理回路の問題が置かれていました。過去の年度でも、C言語のプログラム読解(ツリー構造の操作や再帰処理など)と、真理値表・カルノー図・順序回路といった論理回路の問題が繰り返し出ています。

紙の上でC言語のプログラムを追い、変数の値や出力を正確に予測する練習が欠かせません。ポインタやダブルポインタの扱いが問われている点からも、入門レベルで止めずに一段深いところまで押さえておく必要があります。

④建築学/⑤土木工学(各150点)

建築・都市システム学課程を受験する人は、この2つのどちらかを選びます。公表されている出題の意図を並べると、[1]の構造分野は建築学と土木工学で共通の内容が出題されており、直近年度も前年度もトラス構造と、はりの断面に関する問題が同じ形で置かれていました。トラス全体の力の釣り合いから支点反力を求める、切断法や節点法で部材の軸力を求める、節点変位と部材変位から応力度・ひずみを理解して部材の伸びを求める、断面1次モーメント・図心・断面2次モーメントを算出する、単純ばりのモーメントを求める、といった内容です。

分かれるのは[2]以降です。④建築学は建築環境工学と建築計画・都市計画・建築史が続きます。直近年度は、換気を題材に室内空気環境の指標である二酸化炭素濃度と必要換気量、換気の原動力となる圧力差、機械換気設備の仕組み、温度差換気と中性帯の理解を問う問題、外壁の熱貫流を題材に熱貫流抵抗と熱貫流率の計算を問う問題、温冷熱環境・光環境・日射・音環境の用語を問う問題が出ています。計画分野では、戦後から現代に至る日本の都市地域政策の変遷(国土政策の展開、近隣住区と公園配置の理論、中心市街地活性化と都市再生、空家対策など)と、代表的な建築作品の名称・作者・構造形式・平面計画・立地の特徴を記述させる問題、集合住宅の共用空間やアクセス形式、建築運動、劇場各部の名称と設計上の数値、木造の加工名称、建築史の様式名を問う穴埋めが置かれました。

⑤土木工学は水理学と土木計画が続きます。直近年度は、水中の構造物に働く静水圧(全水圧と水深の異なる位置での圧力)と、ベルヌーイの定理を誘導に沿ってたどる問題、土木計画では線形最適化問題(条件を読み取って目的関数と制約条件を定式化し、図解法や連立方程式で最適解を求める)と、多角測量の基本概念、確率の乗法定理、交通計画のOD表と発生集中交通量、費用便益分析で用いる社会的割引率といった用語と考え方を問う穴埋めが出ています。

この構成から言えることははっきりしています。構造力学は建築志望でも土木志望でも避けて通れません。まず構造を固め、そのうえで自分が選ぶ側の分野(環境・計画か、水理・土木計画か)を積み上げる、という順番が効率的です。

⑥面接(応用化学・生命工学課程/150点)

応用化学・生命工学課程では、専門科目の筆記に代えて面接が150点で実施されます。募集要項には「志望動機、勉学意欲、基礎学力、論理的な思考力および表現力等を総合的に評価します」と書かれています。筆記が3科目(英語・国語・応用数学)で350点、面接が150点という配分なので、面接は全体の3割を占める本試験そのものです。

受験者の報告では、筆記試験の終了後に順番に呼び出される形で行われ、卒業研究の内容、入学後に所属を希望する研究室とその理由、学びたい分野、英語学習への取り組み、他大学の受験状況などが問われる傾向があるとされています。卒業研究については専門的な追加質問が及ぶことがあり、化学分野の理解を確認されたという記録もあります。筆記が終わってから面接までの待機時間が1時間程度になることもあるようです。研究内容を自分の言葉で説明し、深掘りされても答えられる状態にしておくことが準備の中心になります。

過去問の入手と使い方

豊橋技術科学大学は、第3年次入学者選抜の過去問を公式サイトの「過去の入試問題」ページで公開しています。直近年度と前年度について、国語・英語・応用数学と、①機械工学・②電気・電子情報工学・③情報・知能工学・④建築学・⑤土木工学の各専門科目がそろっています。解答例が付いており、直近年度には科目ごとの「出題の意図」も添えられています。

使い方としては、次の順序をおすすめします。

  • まず出題の意図を読む: 設問を解く前に、大学が「何を測ろうとしているか」を科目別・設問別に読みます。ここで測定対象が分かるので、教科書のどこに戻ればよいかが決まります
  • 次に時間を計って解く: 英語90分・国語60分・応用数学60分・専門90分という配分を本番どおり再現します。応用数学は過程を書く記述式なので、60分で書き切れるかを早い段階で確かめておく必要があります
  • 解けなかった設問を分野に分類する: 出題の意図に分野名が書かれているので、そのまま弱点リストになります。分野単位で教科書と演習書に戻ってから、同じ形式の問題を繰り返します
  • 2年分で足りない範囲は分野別の演習で補う: 公開されている年度数には限りがあるため、頻出分野が特定できたら市販の演習書で問題数を確保します

なお過去問を使う際は、その科目や出題範囲が現在も存続しているかを必ず要項で確認してください。③情報・知能工学の出題範囲は2027年4月入学の選抜から表記が改められています。古い年度の問題を「現行の出題傾向」として扱うと、対策の方向がずれます。

出願までのチェックリスト(2028年4月入学向け)

直近の実施日程を踏まえた、次のサイクルの逆算です。日程は年度により変わるため、必ず公表された募集要項で確認してください。

  • 前年の夏〜秋|志望課程と専門科目を決める応用数学と英語は全員必須なので、この時期から始められます。志望課程が決まらないと専門科目の対策範囲が決まらないので、研究室の内容まで見て早めに絞り込みます。第2志望を出すかどうかも、専門科目の選択に直結するのでここで考えます。
  • 前年の秋〜冬|専門科目と応用数学を進める高専で履修済みの分野は理論から積み直すより演習から入るほうが速い、という合格者の声があります。未履修の分野だけ教科書に戻ります。応用数学は行列・微積分・確率・微分方程式の4本柱を一巡させます。
  • 1〜2月|募集要項の公表を確認する第3年次の募集要項は例年2月下旬に配付されています。公表されたら、募集人員・出願資格・日程・専門科目表・対応学科表を自分の状況に当てはめて読みます。出願資格の事前照会が必要な区分に当たる人は、この時点で照会先を確認します。
  • 3月|証明書の手配を始める成績証明書・調査書は出身学校長が作成し厳封するもので、発行に時間がかかります。大学在学者は在学証明書と在籍期間証明書、65単位に届いていない場合は履修科目証明書も必要です。在学証明書は発行日が願書受付期間内でなければならないため、受付開始と同時に動けるよう申請方法だけ先に調べておきます。
  • 4月上旬|事前照会の締切に注意外国の学校教育における14年の課程を修了した人など一部の出願資格では、出願登録が始まる前に事前照会をする必要があります。直近年度の締切は4月8日で、出願登録開始(4月13日)より前でした。該当しそうな人はここが実質の第一関門です。
  • 4月中旬〜5月上旬|出願するインターネット出願登録、検定料の支払い、出願書類の郵送の3ステップです。郵送は簡易書留・速達で、持参は受け付けられません。推薦入試に出願する人は、出願登録の「受験希望の有無」欄を必ず「有り」にして、学力入試の併願受験を確保してください。出願書類を受理されたあとは、入試区分・志望課程・選択専門科目の変更ができません。
  • 5月下旬|受験票を印刷する直近年度は5月20日から印刷可能になりました。受験票は郵送されず、自分でA4サイズに印刷して当日持参します。
  • 6月上旬〜下旬|推薦の結果を受けて学力入試へ推薦入試の合格発表は6月8日、学力入試は6月27日でした。推薦の結果が出るまで学力入試の勉強を止めないことが前提の日程です。
  • 7月中旬|合格発表合格発表は7月17日でした。合格者への入学手続の詳細は11月中旬に通知されます。9月上旬の成績開示請求の日程もこの時点で控えておきます。

併願をどう組むか

豊橋技術科学大学工学部の学力入試の合格者のうち、実際に入学するのは半数強です。裏を返せば、多くの受験生が他大学と併願しています。組み方の考え方を3つに整理します。

1|学内で第2志望を使う

もっとも手軽な保険が、学内の第2志望課程です。追加の検定料も追加の試験もなく、専門科目を1つ受けるだけで2つの課程の判定を受けられます。前掲の専門科目表を見ながら、自分が選ぶ専門科目で第2志望にできる課程を確認してください。応用化学・生命工学課程を第2志望に置く場合は面接を受ける必要がなく、第1志望の専門筆記だけで済む点は、知っているかどうかで差が出ます。

2|同じ技術科学大学と比べる

長岡技術科学大学は、同じく高等専門学校の卒業生を第3学年に受け入れる目的で設置された技術科学大学です。制度の考え方が近いので比較しやすい一方、出願資格の作りが大きく違います。長岡技術科学大学の要項には、他大学に在学している人が第3学年への転学を志望する場合は出願資格がない旨が明記されています。豊橋技術科学大学は逆に「大学に2年以上在学し65単位以上」を出願資格の一区分として置いているため、大学生にとっては豊橋のほうが門戸が開いています。この違いは自分の在籍先によって決定的なので、両方を検討する人は必ず要項の出願資格を突き合わせてください。

3|試験時期の違う大学を組み合わせる

豊橋技術科学大学の学力入試は6月下旬です。国公立の工学系は5月から8月に試験が分散しているため、日程を重ねずに複数校を受けることは十分可能です。ただし出願期間は試験日より1〜2か月前に来るので、併願先を決めるのは出願期間ではなく、その前の証明書手配の段階だと考えて動いてください。証明書は1校ごとに必要になるため、まとめて発行を依頼できるようスケジュールを揃えるのが実務的です。

合格者の声

オンライン編入学院に寄せられた、豊橋技術科学大学へ2026年4月に入学した方の合格体験談から紹介します。

「基本的には単一の科目を0-100までを一気に進むのではなく、つまらなくなったとかやる気が出ない場合は、他の科目にいったん変えて、勉強したことが多かった。」

チューさん(2026年度 機械工学課程・高等専門学校出身)

チューさんは対策開始時から、数学・流体力学・材料学・材料力学・熱力学を並行して進めていました。「数学と材料学以外の専門は高専で習ったことが多いので、また理論や原理から0からやるのではなく、直接演習問題に取り組んだ」という進め方も記録されています。使った教材は、数学が『編入数学徹底研究』を3周、専門科目は高専の教科書をそのまま2周というものでした。

チューさんの体験談を読む

「もっと早く対策をすべきだった、豊橋技術科学大学の数学は結構レベル高いと聞いたので、早めに対策したほうがいい」

チューさん(2026年度 機械工学課程)

もう1人は、先端融合テクノロジー連携教育プログラムで電気・電子情報工学課程に進んだMacさんです。このプログラムは書類選考ですが、出願にあたって豊橋技術科学大学側の指導予定教員と入学後の研究計画について相談することが求められ、その相談状況を記した確認票が出願書類に含まれます。

Macさんの体験談を読む

「面接で、研究についてよく聞かれるので、研究のことをちゃんと理解すること。先輩や先端研究の論文を毎日読んで、しっかり理解すること。」

Macさん(2026年度 先端融合テクノロジー連携教育プログラム 電気・電子情報工学課程)

Macさんは、志望動機として「研究の継続ができる」ことを軸に置いたと記録しています。「多くの豊橋技術科学大学への編入生が大学院進学を目指していることを知った。私自身も大学院進学を考えているため、このプログラムへの編入を決意した」という記述もあり、進学先としての位置づけを理解したうえで選んでいることが分かります。

めぐみさん(2026年度合格・機械工学科 機械工学)

高等専門学校からの編入。

「振り返ると、編入試験の対策はもっと早い段階から始めておけばよかったと感じています。実際には準備の開始が遅れてしまい、試験が近づくにつれて勉強量や理解度への不安が大きくなり、精神的にも余裕がなくなってしまいました。その経験から、計画的に早めに取り組むことの重要性を強く実感しました。」

めぐみさんの体験談を読む

編入したあとの学び方

試験対策とは別に、入学後に何が待っているかを知っておくと志望理由書や面接の中身が変わります。豊橋技術科学大学には、他大学にない仕組みが2つあります。

実務訓練(学部4年次・必修6単位)

実務訓練は、国内および海外の企業等で学部4年次の1月上旬から2月下旬まで約2か月行われる必修科目です。単位は6単位。事前研修、実習、大学での報告会という構成で、実習内容は開始前に派遣先の指導責任者・学生・指導教員の面談で決められます。期間中は学生が1か月ごとに報告書を作成し、指導責任者の検印を受けて大学の指導教員に提出する仕組みになっています。編入して2年目に、2か月間まとまって現場に出るという前提でカリキュラムが組まれている点は、進学先を選ぶうえで押さえておくべき特徴です。

学部卒業者の大半が大学院へ進む

大学が公表している2025年度の卒業・修了者の進路状況によると、学部卒業者479名のうち409名(約85%)が大学院へ進学しています(本学の大学院402名、他大学の大学院7名)。就職は47名で約10%です。課程別に見ても、機械工学課程は129名中110名、電気・電子情報工学課程は110名中98名、情報・知能工学課程は113名中95名、応用化学・生命工学課程は58名中52名、建築・都市システム学課程は69名中54名が進学しています。

編入してから学部を卒業するまでは2年です。その2年のあいだに実務訓練があり、卒業後は大半が大学院へ進むという流れが標準になっているため、「編入して2年で就職する」という前提で計画を立てると、周囲と歩調が合わない可能性があります。志望理由書や面接では、大学院まで含めた研究の計画を語れるかどうかが問われやすいのはこのためです。

2027年4月からの組織再編に注意

大学は2026年3月11日付で、2027年4月からの組織再編を予告しています。工学部の現在の5課程すべてを再編し「学際共創課程」1課程に改称し、大学院の5専攻も「学際共創専攻」に改称する計画です。学部3年次編入学試験については「令和10年度に実施する入学者選抜試験から再編後の1課程5分野(機械・電気・情報・化学・建設)で募集を行う予定」と書かれています。同じ予告文が学部1年次について「令和8年度に実施する令和9年度入学者選抜試験」という書き方をしていることから、この表記は実施年度を指していると読めます。ただし予告文には「本計画は現在設置構想中のもの」「変更があり得る」と明記されているため、いつの選抜から適用されるかは必ず大学の告知で確認してください。

この予告があるため、募集単位の名称(課程か分野か)や専門科目の区分が今後変わる可能性があります。数年先を見て準備する人ほど、募集要項が公表されたら課程・分野の構成を最初に確認する習慣をつけてください。また、2027年4月に入学する人については、学部の再編と入学時期が重なるため、入学後の所属の扱いを大学に確認しておくのが確実です。

おすすめ参考書|科目別の定番テキスト

ここで挙げるのは、豊橋技術科学大学の出題内容との対応が確認できている本です。志望する専門科目に合わせて選んでください。

応用数学(全課程共通)

応用数学は行列・微分積分・確率・微分方程式が4本柱です。編入試験の標準的な範囲を一巡できる問題集で全体をならし、確率が手薄なら専用の1冊で補うという組み立てが素直です。『編入数学徹底研究』は、機械工学課程に合格した方が3周して「数学の教科書なら基本的にこれ一冊」と評価していた本でもあります。

④建築学・⑤土木工学(構造は共通)

④建築学と⑤土木工学は構造の大問が共通しているため、どちらを選ぶ人も構造力学から手をつけるのが効率的です。トラスの反力と軸力、はりの曲げモーメント、断面1次モーメント・図心・断面2次モーメントは繰り返し問われています。⑤を選ぶ人は水理学(静水圧・ベルヌーイの定理・限界水深)も範囲に入るので、構造・水理をまとめて扱える演習書が使いやすくなります。

③情報・知能工学

③はC言語で書かれたプログラムを紙の上で読み解く問題が繰り返し出ています。ポインタやダブルポインタ、演算子の優先順位と結合性まで問われているため、入門レベルで止めずに一段深いところまで押さえておく必要があります。あわせて、データ構造(線形リスト・ツリー・ハッシュ法)と論理回路(真理値表・カルノー図・順序回路)の演習を確保してください。

よくある質問

大学に在学中でも豊橋技術科学大学工学部に編入できますか?

できます。学力入試の出願資格に「大学において2年以上(休学期間を除く)在学し、65単位以上を修得した者および入学年の3月31日までに修得見込みの者」という区分が置かれています。出願時にまだ65単位に届いていない場合も、履修中の科目と単位数を明記した履修科目証明書を提出することで出願できる扱いになっています。あわせて在学証明書と在籍期間証明書が必要です。一方で推薦入試は高等専門学校を卒業見込みの人だけが対象なので、大学生が使えるのは学力入試の枠です。

豊橋技術科学大学工学部の編入試験の倍率はどれくらいですか?

大学が「第3年次入学者選抜状況(総表)」として5年分を公表しています。学力入試の全課程合計で、受験者数÷合格者数は2022年4月入学が2.69倍、2023年4月が2.70倍、2024年4月が2.02倍、2025年4月が2.12倍、2026年4月が1.67倍でした。推薦入試は書類選考のみで、同じ計算方法で1.2〜1.3倍前後で推移しています。課程別では情報・知能工学課程が2024年4月入学と2025年4月入学で3.8倍前後と高く、応用化学・生命工学課程が最も低い水準でした。

推薦入試と学力入試は併願できますか?

できます。募集要項には、推薦入試で合格とならなかった人のうち、出願登録の受験希望の有無欄をあらかじめ「有り」にしていた人に限り、学力入試または外国人留学生入試を併願受験できると書かれています。この場合、出願書類の再提出と検定料の再納入は必要ありません。ただし推薦入試で第2志望課程に合格した場合は、併願を希望していても受験できません。推薦入試の合格者は入学を辞退できない点にも注意してください。

志望課程別専門科目はどれを選べばよいですか?

選べる科目は第1志望課程によって決まります。電気・電子情報工学課程が第1志望なら②の電気・電子情報工学に固定、応用化学・生命工学課程が第1志望なら⑥の面接に固定で、この場合は第2志望を選べません。機械工学課程が第1志望なら①〜③から1科目、建築・都市システム学課程が第1志望なら④建築学または⑤土木工学、情報・知能工学課程が第1志望で第2志望を出さない場合は①〜⑤から自由に1科目を選べます。選んだ科目によって第2志望にできる課程が変わるため、出願前に募集要項の志望課程別専門科目表で組み合わせを確認してください。

英語はどんな試験ですか。TOEICのスコアは使えますか?

英語は150点で、500点満点のうち最大の配点です。試験時間は聴き取りテストを含めて90分、解答用紙はマークシートで、大問は聴き取りを含めて5問あります。大学が公表した出題の意図によると、読解は科学記事のオンライン集から出典が取られ、正誤判定・語彙・文法や語法の選択・要旨把握が問われます。聴き取りは会話文と説明文の要旨を選ぶ形式です。外部試験のスコア提出を出願資格や加点にする仕組みは募集要項に置かれていないため、TOEICのスコアそのものが点数になるわけではありません。ただし出題形式が近いので、対策は共通する部分があります。

過去問は手に入りますか?

大学が公式サイトの「過去の入試問題」ページで第3年次入学者選抜の問題を公開しています。直近年度は国語・英語・応用数学と、機械工学・電気電子情報工学・情報知能工学・建築学・土木工学の各専門科目がそろい、解答例に加えて科目ごとの「出題の意図」も公開されています。出題の意図は、どの分野のどの理解を測ろうとしているかが科目別・設問別に書かれているため、対策の優先順位を決める材料としてそのまま使えます。

2027年4月からの組織再編で編入試験はどうなりますか?

大学は2026年3月11日付の予告で、2027年4月から工学部の5課程すべてを再編して「学際共創課程」1課程に改称する計画を公表しています。この予告のなかで、学部3年次編入学試験については「令和10年度に実施する入学者選抜試験から再編後の1課程5分野(機械・電気・情報・化学・建設)で募集を行う予定」と書かれています。同じ予告が学部1年次について「令和8年度に実施する令和9年度入学者選抜試験」という書き方をしていることから、この表記は実施年度を指していると読めます。ただし予告文には設置構想中で変更があり得る旨が明記されているため、適用時期は必ず大学の告知で確認してください。

出願はいつからで、何に気をつければよいですか?

直近の実施では、募集要項の配付が2月下旬、インターネット出願登録が4月13日から5月7日、願書の受付が4月20日から5月8日必着、試験日が6月27日、合格発表が7月17日でした。出願は郵送のみで持参は受け付けられず、簡易書留・速達で送る必要があります。外国の学校教育における14年の課程を修了した人など一部の出願資格では、出願登録が始まる前の4月8日までに事前照会をすることが求められていました。この事前照会の締切は出願期間より早いので、該当する可能性がある人はまずここから逆算してください。

まとめ

豊橋技術科学大学工学部の第3年次入学は、推薦179名・学力181名を合わせて360名という大きな募集枠で行われます。「181名」という数字だけを見て準備すると、区分の全体像を見誤ります。

いちばん大事な確認は、自分がどの区分で出願できるかです。推薦入試は高等専門学校を卒業見込みの人に限られ、しかも在籍学科によって志望できる課程が決まります。一方で学力入試には「大学に2年以上在学し65単位以上を修得」という区分があり、4年制大学に在籍している人も出願できます。65単位はこの区分だけにかかる要件で、高専卒業や短期大学卒業で出願する人には別の単位要件はありません。

試験は6月下旬の1日で、英語150点・国語100点・応用数学100点・志望課程別専門科目150点の500点満点。英語は聴き取りを含むマークシート、応用数学は過程を書く記述式、専門科目は①〜⑥から出願時に1つを選ぶ形です。選んだ専門科目によって第2志望にできる課程が変わるため、この組み合わせを先に決めることが受験設計の出発点になります。

大学は5年分の選抜状況、過去問、科目別の「出題の意図」、試験成績の開示制度まで公開しています。ここまで材料がそろっている大学は多くありません。まず出題の意図を読み、測られている理解を分野単位で押さえてから演習に入る——この順番で進めれば、限られた時間でも確実に前に進めます。

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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この記事について

監修: オンライン編入学院(株式会社BearBee)。本記事は、2年連続合格者数No.1※の大学編入予備校オンライン編入学院が監修しています。試験概要は豊橋技術科学大学が公表する「令和9年度 第3年次学生募集要項」および入学者選抜日程を原本で確認して作成し、倍率は同大学が公表する「第3年次入学者選抜状況(総表)」、出題傾向は同大学が公表する過去の入試問題と科目別「出題の意図」にもとづいています。合格者の声はオンライン編入学院に寄せられた合格体験談にもとづいています。

※調査対象期間:2024/4〜2026/3 TPCマーケティングリサーチ(株)調べ|最終更新: 2026年9月6日

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