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情報系の参考書ルート

大学編入 情報系 参考書ルート|C言語・アルゴリズムから電気回路・論理回路まで

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-10​‌‌‌‌‌‌​​‌​‌‌‌‌‌‌‌‌​‌​‌‌‌‌‌​‌​‌‌

情報系(情報科学・電気電子を含む)の編入試験で最初に戸惑うのは、科目名が大学ごとにばらばらなことです。「情報基礎」「計算機基礎」「コンピュータ科学基礎」——名前は違っても、中身は大きく2系統に分かれます。プログラミングとデータ構造・アルゴリズムを問う情報科学系と、電気回路・論理回路を問う電気電子系です。自分の志望学科がどちらの系統かを取り違えると、参考書選びがまるごと無駄になります。

もうひとつ気をつけたいのは、情報系の学部でも、情報の専門科目を課すとは限らないことです。筆記が数学と物理の大学、数学と小論文の学科もあります。同じ学部の中でも、名古屋大学情報学部のようにコンピュータ科学基礎を課すのは3学科のうちコンピュータ科学科だけ、という構成すらあります。だから検索で出てきたおすすめ本を上から順に買うのではなく、志望学科の試験科目を確かめてから、範囲ごとに1冊ずつ決めるのが正解です。

この記事では、オンライン編入学院が、合格した人が実際に使った教材と各大学が公表している募集要項をもとに、情報系の参考書をプログラミング(C言語)・データ構造とアルゴリズム・電気回路・論理回路の範囲別に、標準ルートと難関大ルートの2本立てで整理します。数学・物理も含めた理系全体の組み立ては理系の編入試験の参考書にまとめているので、あわせて読んでください。

この記事で分かること

  • 情報系の参考書を買う前に確かめること
  • プログラミング・アルゴリズム・電気回路・論理回路を、それぞれどの本でどの深さまでやるか
  • 標準ルートと難関大ルートの分かれ目
  • 情報系の科目を課している大学の例と、出題のされ方の違い
  • プログラミング未経験からの始め方

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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ここでいう難関大ルートの代表例が名古屋大学情報学部です。ほかにも筑波大学情報学群大阪大学基礎工学部のように、アルゴリズムの記述や回路の計算を、演習書で仕上げないと届かない大学を指します。標準ルートは、C言語の文法とデータ構造の基本を教科書レベルで固め、編入形式の演習に1冊入れば戦える大学です。

買う前に決めること

先に志望校の募集要項で、次の4つを確かめてください。情報系は科目構成の大学ごとの差がとくに大きく、ここが決まらないうちに本を買うと、使わない本が積み上がります。

確かめることなぜ必要か
そもそも情報の専門科目が課されるか情報系の学部でも、筆記は数学・物理という大学があります電気通信大学情報理工学域など)。その場合、この記事の本より先に数学物理のルートを固めるのが正解です
情報科学系か、電気電子系か同じ「情報系」でも、プログラミングとアルゴリズムを問う学科と、電気回路・論理回路を問う学科に分かれます。志望学科の科目名だけでなく、出題範囲の記載まで読んでください
出題される言語プログラミングの出題はC言語を指定する大学が多いです(広島大学情報科学部は選択科目を「プログラミング(C言語)」と明記)。Pythonで学んできた人も、本番の言語に合わせた練習が要ります
解答の形式筆記が主流ですが、九州工業大学情報工学部のように口頭試問で数学・情報基礎を問う大学もあります。口頭試問なら「書ける」に加えて「説明できる」練習が要ります

出発点は、プログラミング経験の有無で変わる

情報系は、始める位置の個人差がいちばん大きい科目です。「どの本からか」を経験値で決めてください。

いまの状態どこから始めるか
プログラミング未経験新・明解C言語 入門編で文法から始めます。いきなりアルゴリズムの本に入ると、書かれているコードの意味が追えません。配列・関数・ポインタまで、載っているコードを自分で打って動かしてください
高専・情報系の学科授業でC言語とデータ構造を扱っているなら、教科書レベルの復習からアルゴリズムの演習へ入れます。授業で使った教科書がそのまま復習教材になります
PythonやJavaなど他言語の経験ありアルゴリズムの考え方は流用できますが、Cのポインタ・配列・文字列の扱いは別物です。入門書でCの流儀に慣れ直してから、C言語のアルゴリズム本へ進んでください

全体の順序:4段階で積み上げる

段階使う本
1. C言語の文法
未経験なら必ず
新・明解C言語 入門編。余力があれば新・明解C言語 中級編まで
2. データ構造とアルゴリズムC言語によるはじめてのアルゴリズム入門新・明解C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造
3. 編入形式の演習プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造定本Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造。仕上げは志望校の過去問
4. 電気回路・論理回路
課される場合のみ
論理回路入門詳解電気回路演習 上

数学と並行して進めてください。情報系の試験は、ほぼ必ず数学(微分積分・線形代数)とセットで課されます。専門科目の配点だけを見てプログラミングに時間を寄せすぎると、数学で落ちます。数学側の進め方は編入数学の参考書ルートを見てください。

範囲別:どの本をどの深さまでか

プログラミング(C言語):読める、から書けるへ

プログラミングの筆記は、コードの穴埋めや実行結果を答えさせる形式と、処理を自分で書かせる形式があります。どちらの形式でも、文法を「読んで分かる」だけでは足りず、配列・関数・ポインタを使った短いコードを自分で書けることが土台になります。

ルートどこまでやるか
標準ルート新・明解C言語 入門編を1冊通し、載っているコードを写すだけでなく少し書き換えて動かすところまで。ポインタと配列の関係が説明できれば、アルゴリズムの本に入れます
難関大ルート新・明解C言語 中級編で構造体・ファイル処理・再帰まで広げます。再帰はアルゴリズムの記述問題で頻出なので、階乗やフィボナッチ数列を白紙から書けるようにしておくと、次の段階が速くなります

データ構造とアルゴリズム:出題の本丸

情報科学系の学科では、ソート・探索、スタック・キュー、木構造、再帰、計算量あたりが出題の中心です。筑波大学情報学群の情報基礎、静岡大学情報学部の計算機基礎のように、科目名は違ってもこの範囲を指している大学が多くあります。

ルートどこまでやるか
標準ルートC言語によるはじめてのアルゴリズム入門新・明解C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造のどちらか1冊で、基本のデータ構造とソート・探索を通します。合格した人がアルゴリズム対策の軸として挙げることが多い定番です。C言語以外で全体像を先につかみたい人はPythonではじめるアルゴリズム入門から入る手もあります
難関大ルートプログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造で、擬似コードではなく動くコードとして書き切る演習を足します。定本Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造は解説が深く、再帰・木構造の理解を固める1冊として合格者の使用例があります。さらに余力があればプログラミングコンテストチャレンジブックで応用問題まで広げられます

電気回路:電気電子系の

電気電子系の学科では、直流回路・交流回路(フェーザ計算)・過渡現象が定番の山です。三重大学工学部の電気電子工学コース、新潟大学工学部の電子情報通信プログラムのように、数学とセットで電気回路を指定する大学が典型です。

ルートどこまでやるか
標準ルート授業で使った教科書(または大学初年次レベルの教科書)で、キルヒホッフの法則から交流回路の複素数計算までを一度通します。新しく買い足すより、手元の教科書の章末問題を白紙から解き直すのが先です
難関大ルート詳解電気回路演習 上で問題量を積みます。合格した人が「圧倒的な問題量」を理由に選んだ演習書で、過渡現象や共振回路まで、条件を変えた反復ができます。手を広げすぎず、志望校の過去問で出題の型を確かめてから足りない章を回すのが効率的です

論理回路:範囲は狭く、型がはっきりしている

論理回路はブール代数、カルノー図による簡単化、組合せ回路と順序回路(フリップフロップ)で出題の大半が説明できる、範囲の狭い分野です。短期間で仕上がるぶん、後回しにして無対策で受ける損が大きい分野でもあります。

ルートどこまでやるか
標準ルート論理回路入門を1冊通し、真理値表からカルノー図で式を簡単化して回路を描く流れを白紙からできるようにします
難関大ルート同じ本の順序回路の章まで仕上げ、フリップフロップを使った回路の設計・状態遷移を、条件を変えて繰り返します。論理回路とアルゴリズムの2本柱で出題する大学もあるため、配分は過去問で確かめてください

標準ルートと難関大ルートの全体像

ルート流れ
標準ルートC言語の文法を入門書で固める → データ構造とアルゴリズムを定番書1冊で通す → (課されるなら)電気回路・論理回路を教科書レベルで固める → 志望校の過去問。ここまでで戦える大学は少なくありません
難関大ルート標準ルートの後に演習書をもう1段足します。アルゴリズムはプログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造、電気回路は詳解電気回路演習 上「白紙から書き切る」演習まで仕上げるのがこの層です。代表例の名古屋大学情報学部を狙うなら、この段まで仕上げてください

標準ルートで使う本です。

難関大ルートで足す本です。

迷ったら、志望校の過去問を先に1年分見てください。コードを書かせるのか穴埋めか、回路は交流まで含むか、論理回路が独立の大問かで、足すべき本が決まります。この確認より先に難関大ルートの演習書を買わないのが、遠回りしないコツです。

情報系の科目を課している大学の例

情報系の科目を課している大学の例です。それぞれの記事で、範囲と出題のされ方を確認できます。

同じ大学でも学科・コースによって科目と範囲が違います。ここに挙げたのは目安です。必ず志望する学科の募集要項で確認してください。志望校がまだ絞れていない人は、情報学系編入の実施大学一覧工学部編入の実施大学一覧から科目で比べられます。

使い方:「読めば分かる」ではなく「白紙から書ける」まで

情報系の演習書の使い方で効くのは、ほかの理系科目と同じく1冊を繰り返して白紙から書ける状態にすることです。周回のやり方は理系の編入試験の参考書に書いたので、ここでは情報系に固有の注意だけ足します。

  • アルゴリズムは紙の上で動きを追う。ソートや探索は、小さな配列を書いて変数の中身が1手ごとにどう変わるかを手でトレースしてください。筆記試験は紙で解くので、画面上で動いた経験だけでは本番で手が止まります
  • 書いたコードは実際に動かす。写経で終わらせず、条件を少し変えて動かすと、境界条件(ループの範囲、終了条件)の感覚が身につきます。ここが穴埋め問題の頻出ポイントです
  • 回路は途中の式変形を省かず書く。電気回路・論理回路の記述式は途中過程が採点対象です。カルノー図や複素数計算を、文字のまま最後まで書き切る練習をしてください

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

  • 買う前に、情報の専門科目が課されるか・どの系統かを募集要項で確かめてください。プログラミング+アルゴリズム系と、電気回路・論理回路系で、使う本は全く別です
  • 未経験なら、C言語の文法から。いきなりアルゴリズムの本に入ると、コードの意味が追えません
  • 標準ルートは、文法+アルゴリズムの定番書1冊(+課されるなら回路の教科書レベル)まで。難関大ルートはそこに演習書を1段足します
  • 数学と並行して進める。情報系の試験は、ほぼ必ず数学とセットです
  • 「白紙から書ける」「動きを説明できる」を仕上がりの基準にする。筆記でも口頭試問でも、ここが得点になります

理系全体の科目の組み立ては理系の編入試験の参考書へ。志望校ごとの科目・範囲は情報学系編入|実施大学一覧・難易度ランキング工学部編入|実施大学一覧・難易度ランキングから各大学の記事で確認できます。

よくある質問

情報系の編入試験は、どのプログラミング言語で対策すればよいですか?

C言語を基本にしてください。出題言語をC言語と明記する大学があり、編入対策の定番になっているアルゴリズムの教材もC言語で書かれたものが中心です。まず志望校の募集要項で言語の指定を確かめ、指定がない場合もC言語で進めておけば他の大学に流用できます。PythonやJavaで学んできた人は、アルゴリズムの考え方はそのまま使えますが、ポインタや配列の扱いはCに固有なので、入門書で慣れ直してから演習に入ってください。

プログラミング未経験でも、編入試験の情報系科目に間に合いますか?

間に合わせている人はいますが、文法とアルゴリズムの2段階が必要なぶん、早めに始めてください。文法の入門書を1冊通してから、データ構造とアルゴリズムの本に進む順序が確実です。文法だけで終わらせず、ソートや探索を自分の手で書くところまで到達してはじめて試験の土俵に乗ります。あわせて数学がほぼ必ず課されるため、プログラミングだけに時間を寄せず、数学と並行して計画を立ててください。

電気回路・論理回路はどこまで勉強する必要がありますか?

まず志望学科で課されるかを募集要項で確かめてください。同じ情報系でも、電気電子系の学科では電気回路が柱になり、情報科学系の学科では課されないことが多いです。課される場合、電気回路は直流回路から交流回路の複素数計算、過渡現象までが定番の範囲です。論理回路はブール代数、カルノー図による簡単化、組合せ回路と順序回路まで押さえれば、出題の大半に対応できます。範囲外の分野に使った時間は、そのまま主戦場の演習量を削ることになるので、確認より先に本を買わないでください。

情報系志望でも、数学はやはり必要ですか?

必要です。情報系の編入試験は、専門科目と数学(微分積分・線形代数)をセットで課す構成がほとんどで、専門科目の代わりに数学の配点が大きい大学もあります。さらに、情報系の学部でも筆記の柱が数学・物理という大学があり、その場合はプログラミングの対策より数学・物理の仕上がりが合否を分けます。志望校の科目構成を確かめたうえで、数学は常に並行して進めてください。

競技プログラミングの経験は必要ですか?

必須ではありません。編入試験で問われるのは、基本のデータ構造とアルゴリズムを正しく書き、動きを説明できることで、競技特有の高速化テクニックまでは要求されないのが普通です。ただし、競技プログラミング向けの問題集は「制約を読んで、動くコードを書き切る」練習として編入対策にも有効で、合格した人の使用例もあります。基本書を仕上げたあとの演習量を積む素材として使うのが適切な位置づけです。

口頭試問で情報基礎が問われる場合は、何を準備すればよいですか?

筆記と同じ範囲を、口頭で説明できる状態まで持っていってください。口頭試問では、コードが書けるかどうかに加えて「このアルゴリズムはどういう手順で動くか」「なぜこの方法が速いのか」を言葉で説明させられます。普段の演習で、解き終えた問題について、データ構造の選び方と計算量の根拠を声に出して説明する練習を足すのが効果的です。用語の定義を正確に言えるようにしておくことも、筆記だけの対策との違いになります。

ほかの科目の参考書ルート

理系の編入試験では、複数の科目を同時に進めることになります。ほかの科目の順序も、あわせて確認してください。

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