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会計学の参考書ルート

会計学 編入 参考書ルート|簿記の基礎から財務会計講義まで何をどの順で

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-10​‌​​‌​​​‌​​‌‌​‌​​​​​​​​​‌​​​​‌‌​

会計学は、経営学部・商学部の編入試験で選択科目や必須科目としてよく登場します。そして、ほかの文系科目とは性格がはっきり違います。簿記の計算という「答えが定まる領域」と、会計の理論を文章で説明する「記述の領域」の、両方が出るということです。神戸大学経営学部の会計学では、複式簿記による決算手続や直接原価計算といった計算の土台と、費用性資産の原価配分や財務会計の機能といった理論の説明が、同じ試験で問われています。

だから参考書ルートも2段になります。まず日商簿記の検定教材で計算の土台を作り、そのうえで会計学の理論書へ進む。この順序さえ守れば、会計学は積み上げがそのまま得点に表れる、編入試験の中でも仕上がりを読みやすい科目です。

この記事では、標準ルート難関大ルートを分けて示します。難関大ルートは、神戸大学経営学部や関西大学商学部のように会計理論の記述・論述まで課す大学を指します。標準ルートは、簿記と会計の基礎知識を問う筆記や基礎テストが中心の大学です。

この記事で分かること

  • 参考書を買う前に確かめること(ここで買う本と進める深さが決まります)
  • 簿記を検定教材で進める理由と、3級→2級の順序
  • 会計学の理論書へ進む順序(入門書→会計学基礎論→財務会計講義)
  • 標準ルートと難関大ルートの分かれ目(簿記を何級まで、理論をどこまで)
  • いつまでに何を終えるかの目安と、やってはいけない使い方

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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買う前に決めること

先に志望校の募集要項で、会計学がどの形で出題されるかを確かめてください。同じ「会計学」でも、選択科目の1つなのか必須なのか、計算中心なのか記述まであるのかで、進める深さが変わります。

確かめることなぜ必要か
選択科目か必須か神戸大学経営学部は経営学・会計学・マーケティング論・経済学の4科目から試験場で2科目を選択、関西大学商学部は商学・経営学・経済学・会計学から2科目選択、同志社大学商学部経済学・商業学・国際経済学・経営学・会計学の5科目から2科目選択(口頭試問あり。当日の英語筆記はなく英語外部スコアが出願必須)。国士舘大学経営学部のように経営学・会計学の両方が同じ試験で問われる大学もあります
計算中心か記述ありか記述があるなら、簿記の計算に加えて理論書が必要になります。神戸大学経営学部では、簿記の仕訳とあわせて、費用性資産の原価配分や純資産と株主資本の相違点を問う出題がありました
英語の扱い神戸大学経営学部はTOEFLまたはTOEICのスコアを提出し、当日の英語試験はありません。関西大学商学部は出願に英語外部試験の基準があります。スコアが絡む型は、参考書より先に受験日程の逆算が必要です

形式が分かれば、必要な本は多くありません。標準ルートなら簿記の検定教材と会計の入門書、難関大ルートでもそこに理論書2冊を足すだけです。買い集めるより、決めた本を繰り返すほうが確実に力になります。

第1段階:簿記の土台は検定教材で作る

会計学の大学向け教科書は、簿記の仕訳が読める前提で書かれています。簿記を飛ばして理論書から入ると、最初の数十ページで止まります。そこで土台作りには、日商簿記の検定教材を使います。編入試験専用の会計学の入門教材は事実上存在しませんが、検定教材は独学者向けに解説が作り込まれており、編入の会計学で問われる仕訳・決算手続の範囲をそのまま覆っています。

日商3級:仕訳と決算の仕組みをつかむ

簿記に触れたことがなければ、みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商3級から始めます。フルカラーで図解が多く、初学者が仕訳の考え方をつかむ定番です。教科書を読んだら、対になっている簿記の問題集 日商3級で必ず手を動かしてください。簿記は読んで分かる科目ではなく、解いて身につく科目です。

日商2級:商業簿記まで固める。教材の系統は混ぜない

3級の内容がつかめたら、2級の商業簿記へ進みます。教材は2つの系統があり、どちらか一方に決めて、テキストと問題演習を同じ系統でそろえてください。

系統向いている人
スッキリわかるシリーズ商業簿記工業簿記。解説と問題が1冊にまとまったコンパクトな作りで、編入対策と並行して短期間で回したい人向けです
合格テキスト+合格トレーニングシリーズテキスト(商業簿記工業簿記)と問題集(商業簿記工業簿記)が分かれた網羅型です。分量は多いものの論点の抜けが出にくく、時間に余裕があり、簿記を得点の柱にしたい人向けです

工業簿記(原価計算)まで進めるかは、志望校の出題で決めます。神戸大学経営学部では直接原価計算という工業簿記の範囲から出題された年があり、難関大ルートでは工業簿記まで押さえておく価値があります。基礎知識型の大学なら、商業簿記までで土台としては足ります。なお、1級まで進める必要はありません。級を上げるより、2級までの内容を理論とつなげて説明できる状態にするほうが得点につながります。

第2段階:会計学の理論書で記述に備える

簿記2級の商業簿記が見えてきたら、学問としての会計学に入ります。ここからは入門書 → 基本書 → 補強の3歩です。

段階使う本
1. 入門
全体像をつかむ
大学4年間の会計学見るだけノートで、財務会計・管理会計という会計学の地図を図解で頭に入れます。活字で学びたい人は会計学入門が、制度の背景まで書かれた新書サイズの定番です
2. 基本書
出題の中心を固める
会計学基礎論。財務諸表の仕組みから資産・負債・純資産の各論までを1冊で押さえるテキストで、どの用語も自分の言葉で説明できる状態まで繰り返します
3. 補強
記述の解像度を上げる
財務会計講義。財務会計の理論を深く広く扱う分厚い1冊で、通読するより過去問で出た論点を調べて読み込む使い方が現実的です

実際の使い方を、この2冊で対策して合格した先輩はこう振り返っています。

記述対策であることを意識して、どの用語も説明できるように取り組んだ。

神戸大学経営学部に合格した先輩(『会計学基礎論』を3周)

非常に分厚く、この1冊で会計学の記述対策を十分にできる。過去問を見て、後半の難しい範囲は出てこないと踏んで、前半を重点的に対策した。

同じ先輩(『財務会計講義』を3周)

「仕訳が切れる」と「説明できる」の間には段差があります。編入試験の会計学は、引当金・収益認識・財務会計の機能といった用語や手続きを文章で説明させます。理論書を読むときは、なぜその会計処理が必要とされるのかまで言えるかを、章ごとに自分で確かめてください。

会計学:標準ルートと難関大ルート

ルートどこまでやるか
標準ルート簿記3級→2級商業簿記+会計の入門書1冊。基礎知識を問う筆記や基礎テスト型の大学はここまでで戦えます。仕訳と財務諸表の読み方を、用語つきで説明できる状態が目標です
難関大ルートそこに3つの上乗せが入ります。①工業簿記(原価計算)、②理論書2冊(会計学基礎論を軸に、財務会計講義で補強)、③記述の練習(過去問のテーマで、用語の定義と処理の理由を文章で書き切る練習まで)

会計学を課している大学の例

出題形式ごとの目安です。それぞれの大学別記事で、科目・配点・出題傾向を確認できます。この記事の参考書ルートは、これらの大学の出題範囲と対応しています。

  • 難関大ルートの目安(理論の記述・論述まで)——神戸大学経営学部(4科目から2科目を試験場で選択。簿記による決算手続から財務会計の理論まで出題。面接なし)、関西大学商学部(4科目から2科目。引当金・収益認識といった理論の頻出テーマあり)、法政大学経営学部(3年次は経営・会計・経済の3分野から2分野の小論文)、同志社大学商学部(経済学・商業学・国際経済学・経営学・会計学の5科目から2科目選択。口頭試問あり・当日の英語筆記はなく英語外部スコアが出願必須)
  • 標準ルートの目安(基礎知識型)——国士舘大学経営学部(経営学・会計学の専門基礎科目と面接。英語なし)、近畿大学経営学部(英語外部試験と、会計学を含む経営系4分野の基礎テスト)、龍谷大学経営学部(会計学を含む経営学の小論文・英語・面接)

同じ大学でも学科・コース・編入年次によって科目が違います。ここに挙げたのは目安です。必ず志望する学科の最新の募集要項で確認してください。経営学部・商学部を持つ大学の一覧は経営・商・会計学系の実施大学一覧から探せます。

いつまでに何を終えるか

試験日から逆算した目安です。経営学部・商学部の編入試験は秋から初冬に集中します。始める時期が遅いなら、その分だけ各段階を縮めて進めます。

  • 試験の1年前

    志望校の出題形式(選択か必須か・記述の有無)と英語の扱いを確認し、簿記をどこまで進めるかを決める。簿記3級の教科書と問題集に着手。スコア提出型・出願条件型なら英語の受験計画もここで立てる

  • 6〜8か月前

    2級商業簿記。問題演習で手を動かす時間を最優先にする。並行して会計の入門書で財務会計・管理会計の全体像をつかむ

  • 4〜6か月前

    難関大ルートは会計学基礎論の繰り返しと工業簿記へ。標準ルートは2級商業簿記の2周目と入門書の読み直し。過去問の分析をここから始める

  • 2〜3か月前

    過去問。時間を計り、計算と記述の両方を最後まで書き切る。記述で詰まった論点は財務会計講義で調べて埋める。書いた答案は添削を受ける

  • 1か月前

    仕訳・決算手続の総ざらいと、用語説明の書き出し練習。新しい本を増やさない

神戸大学経営学部に会計学で合格した先輩は、在籍校の授業で簿記2級の範囲を学んだうえで、冬に会計学基礎論へ取りかかって1周し、春から財務会計講義を読み進め、それぞれ3周まで積み上げています。簿記の土台→基本書→分厚い補強という順序は、この記事のルートそのままです。詳しい月ごとの進め方はこの先輩の体験談で読めます。

やってはいけない3つの使い方

  1. 簿記を飛ばして理論書から入る。会計学の教科書は仕訳が読める前提で書かれています。順序を逆にすると、専門用語の壁で最初の数十ページから進まなくなります
  2. 検定教材の系統を混ぜる。スッキリわかると合格テキストでは論点の並べ方も問題の載せ方も違います。テキストと問題演習は同じ系統でそろえ、1系統を繰り返してください
  3. 計算が解けた時点で仕上がったと思う。記述まで課す大学では、仕訳が切れることと、その処理の理由を文章で説明できることの間に、はっきり段差があります。用語の定義と処理の理由を白紙から書き出す練習までが会計学の対策です

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

  • 会計学は、計算(簿記)と記述(理論)の両方が出る科目です。ルートは「検定教材で簿記→理論書」の2段で組みます
  • 簿記は日商3級→2級商業簿記の順。教材の系統は混ぜず、問題演習まで同じシリーズでそろえます
  • 標準ルートは2級商業簿記+入門書まで。難関大ルートは工業簿記と理論書2冊、記述練習を上乗せします
  • 理論書は会計学基礎論を軸に、財務会計講義を調べる用の1冊として。どの用語も自分の言葉で説明できる状態が目標です
  • 1級は不要。級を上げるより、2級までの内容を理論とつなげるほうが得点になります
  • 英語はスコア提出型・出願条件型が多い。日程の逆算が参考書より先です

科目別の参考書ルートの全体像と、参考書の使い方の共通原則は編入試験の参考書ルートにまとめています。経営・商・会計学系で合格者の使用が多い本は経営学・商学・会計学系の参考書レビュー一覧から探せます。文系のほかの科目では法学の参考書ルートも公開しています。試験の日程や出願の段取りは編入の出願手続きとスケジュール、出願できるかどうかの条件は編入の出願資格と必要単位を確認してください。

よくある質問

簿記を勉強したことがなくても、会計学を選べますか?

選べます。会計学は積み上げの順序がはっきりした科目で、日商簿記3級の検定教材から始めれば、初学者でも独学で土台を作れます。検定教材は独学者向けに解説が作り込まれており、編入試験のためだけの特別な入門書を探す必要はありません。簿記3級で仕訳と決算の仕組みをつかみ、2級の商業簿記まで進めてから会計学の理論書に入ると、専門用語で止まらずに読み進められます。まず志望校の募集要項で、会計学がどの形式で出題されるかを確かめてください。

簿記は何級まで進めればよいですか?

土台は日商簿記2級の商業簿記までです。基礎知識を問う型の大学はここまでで戦えます。神戸大学経営学部のように理論の記述まで課す大学を受けるなら、工業簿記(原価計算)まで広げてください。直接原価計算のような工業簿記の範囲から出題された年もあります。一方で1級まで進める必要はありません。検定の級を上げることより、2級までの内容を理論とつなげて説明できる状態にすることが得点につながります。

日商簿記の検定は実際に受験したほうがよいですか?

必須ではありません。多くの大学では簿記の検定合格が出願の条件になっているわけではなく、編入試験で問われるのは簿記の内容そのものです。ただし、検定の受験日を決めると学習のペースが作りやすく、仕上がりの確認にもなるため、日程に余裕があれば受けておいて損はありません。資格・検定を出願書類や選抜の一部に使う大学もあるため、志望校の募集要項で扱いを必ず確認してください。

経営学と会計学のどちらを選べばよいですか?

科目の性格で決めてください。会計学は簿記の計算や決算手続など答えが定まる領域が中心で、仕上がりがそのまま得点に表れやすい科目です。経営学やマーケティング論は、理論を具体例とともに論理的に説明できるかを問う論述中心の科目です。神戸大学経営学部のような科目選択型の大学では、答えが定まる科目と論述で差がつく科目を1つずつ持つと、当日の問題との相性に左右されにくくなります。簿記の学習経験があるなら、会計学は有力な選択肢です。

会計学の記述問題はどう対策すればよいですか?

仕訳が切れるだけでは足りません。編入試験の会計学では、引当金や収益認識、財務会計の機能といった用語や手続きを、文章で説明させる問題が出ます。会計学基礎論のような理論書を繰り返し読み、どの用語も自分の言葉で説明できる状態を目指してください。そのうえで志望校の過去問のテーマで実際に書き、なぜその会計処理が必要なのかまで言えるかを確かめます。書いた答案は添削を受けて、論点の抜けを埋めてください。

英語はどう準備すればよいですか?

会計学を課す経営学部・商学部では、TOEICなどの外部試験のスコアを提出する型や、スコアが出願の条件になっている型が目立ちます。神戸大学経営学部はTOEFLまたはTOEICの成績を提出し、当日の英語試験はありません。スコア提出型・出願条件型は、出願に間に合う受験日から逆算して、参考書より先に受験日程を押さえてください。スコアの返却には時間がかかるため、直前の受験では間に合わないことがあります。

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