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心理学の参考書ルート

大学編入 心理学 参考書ルート|入門から概論・分野別まで何をどの順で

編入総研 編集部 / 更新日: 2026-08-10‌‌​‌​‌​​​​​‌​‌​‌​​​​​​​‌​‌‌‌​‌‌‌

心理学部の編入試験には、法学部と並ぶ大きな前提があります。受験生のほぼ全員が、心理学の初学者だということです。高校に「心理学」という科目はありません。全員が同じ地点から本を読み始めるので、どの本を、どの順で読むかがそのまま合否に響きます。

もうひとつの特徴は、「心理学」という専門科目がはっきり課される大学が多いことです。一般心理学の筆記、心理学の基礎知識、心理学の学科試験——名前は少しずつ違いますが、問われる中身は概論レベルの心理学です。一方で、教育学や教養と合わせた小論文で問う大学もあり、この形式の違いが「どこまでやるか」の違いになります。

この記事では、標準ルート難関大ルートを分けて示します。標準ルートは、追手門学院大学心理学部愛知淑徳大学心理学部のように心理学の筆記と面接を中心に選抜する大学です。難関大ルートは、中京大学心理学部龍谷大学心理学部のように英語と心理学の筆記を両方課す大学、あるいは名古屋大学教育学部のように教育心理学を含む小論文・論述で問う大学を指します。

この記事で分かること

  • 参考書を買う前に確かめること(ここで買う本が決まります)
  • 心理学の参考書を読む順序と、標準ルート・難関大ルートの分かれ目
  • 統計・研究法、臨床・教育・社会など、分野別の本をどう足すか
  • 小論文型の大学の対策と、英語の進め方
  • 心理学を課している大学と、それぞれの出題形式

編入試験は大学ごとに出願資格も科目も違います。いまの学年・在籍区分で受けられる大学がどこかは、条件を突き合わせて初めて分かります。

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買う前に決めること

先に志望校の募集要項で、専門科目の出題形式を確かめてください。心理学は「この1冊をやれば大丈夫」という科目ではなく、形式によって必要な本が入れ替わります。

確かめることなぜ必要か
専門試験の型心理学の筆記か、小論文か。筆記なら概論とキーワードの定着、小論文なら書く練習まで要ります
出題の範囲「一般心理学」「心理学基礎知識」のように概論レベルを示す大学と、教育心理学など特定の分野で問う大学があります。統計・研究法まで含むかもここで分かれます
英語の扱い英語を課さない大学と、筆記で課す大学に分かれます。課されるなら、専門と同じ期間の並行学習が要ります
年次と募集の変動2年次編入だけを実施する大学があり、その場合は大学・短大の1年次在学中に受験することになります。また上智大学総合人間科学部のように募集学科が年度ごとに入れ替わり、心理学科の募集が無い年度がある大学もあります

形式が分かれば、必要な本は多くありません。標準ルートなら心理学の本は3〜4冊が土台です。買い集めるより、決めた本を繰り返すほうが確実に力になります。

心理学:4段階で積み上げる

心理学の参考書は、入門書 → 概論書 → キーワード集・問題集 → 過去問・記述練習の順で積み上げます。

段階使う本
1. 入門
学問の全体像をつかむ
はじめて出会う心理学ゼロからはじめる心理学・入門。心理学が「心を科学的に調べる学問」だという感覚と、分野の広がりを最初につかみます
2. 概論書
試験範囲の骨格を通す
心理学 第5版補訂版などの概論書を1冊。知覚・学習・記憶・発達・社会といった各分野を、実験や研究の裏づけとセットで通します
3. 用語の定着
説明できる状態にする
心理学検定 基本キーワードで用語と人名を分野ごとに固め、一問一答問題集 A領域編で確認します
4. 過去問・記述練習
書ける状態にする
志望校の過去問。用語の意味を自分の言葉で説明する記述練習まで進めます。読んで分かるだけでは筆記に対応できません

2の概論書を飛ばして、用語集の暗記から入らないでください。心理学の筆記で問われるのは、用語の名前ではなく「その概念が何を説明するもので、どんな研究に裏づけられているか」です。概論書で文脈ごと理解した用語は説明できますが、暗記だけの用語は記述式の問題と面接で止まります。

心理学検定の教材を挟むのは、大学で学ぶ心理学の基礎用語を分野別に整理してあるからです。編入試験の「心理学の基礎知識」を問う筆記と範囲が重なるため、概論書の内容を試験で使える形に定着させる道具として働きます。

心理学:標準ルートと難関大ルート

ルートどこまでやるか
標準ルート入門書 → 概論書 → キーワード集・一問一答を、繰り返して自分の言葉で説明できる状態に。追手門学院大学京都文教大学臨床心理学部のような、心理学の筆記+面接型はここまでで戦えます
難関大ルートそこに3つの上乗せが入ります。①統計・研究法(研究法まで出題範囲に入る大学や、面接で入学後の研究を語る場面)、②分野別の本(臨床・教育・社会など、志望校の出題に合わせて)、③英語中京大学龍谷大学青山学院大学教育人間科学部のような英語との2本立ての大学)

標準ルートで使う本です。

概論書は1冊に絞ってください。概論書は定番だけでも複数あり、章立てや用語の扱いが本によって少しずつ違います。並行して読むより、1冊を決めて繰り返し、他は疑問が出たときに引くほうが確実です。一問一答問題集にはB領域編もあり、統計や生理心理学など応用側の分野まで範囲に入る場合に足します。

分野別にどう広げるか(難関大ルート)

概論書とキーワード集で土台ができたら、志望校の出題に合わせて分野を足します。全部やる必要はありません。課されない分野に使った時間は、そのまま概論の反復と過去問の時間を削ります。

分野どんな場合に要るか
統計・研究法心理学は実験や調査のデータで仮説を確かめる学問です。研究法まで出題範囲に入る大学のほか、面接・口頭試問で「入学後に何を研究したいか」を聞かれる場面で、実験法・質問紙・観察法といった言葉で語れると説得力が変わります。心理学研究法心理学統計法が定番です
臨床心理学京都文教大学臨床心理学部のような臨床系の学部・学科を受ける場合。臨床心理学〔改訂版〕で、異常心理学・心理療法・アセスメントの枠組みを押さえます
教育心理学名古屋大学教育学部京都大学教育学部のように、教育学部系の試験で教育心理学の教養が問われる場合教育心理学(第3版)で発達・学習・評価を通します
社会心理学概論書の社会分野を深めたい場合や、出題範囲に社会心理学が明示される場合。社会心理学で対人認知・集団・態度の理論を押さえます

分野別で使う本です。

教育・認知分野では、編入試験に合格した先輩が実際に使っていた1冊として教育認知心理学の展望があります。教育心理学の出題がある大学を受けるなら、概論書のあとの1冊として検討してください。

辞書系の本は通読しない。心理学辞典現代心理学辞典図解心理学用語大全心理学キーワード&キーパーソン事典は、概論書や過去問で分からない用語が出たときに引く使い方が合っています。最初から通読しようとすると、文脈のない知識が積み上がって止まります。

小論文・論述で問う大学:知識を材料に論じる

名古屋大学教育学部は英語と小論文(教育学・教育心理学に関する基礎的教養)、京都大学教育学部は外国語と一般教育科目(教育心理学系を含む3系統から選択)という構成で、心理学の知識をそのまま問うのではなく、知識を材料に論じさせます。日本女子大学人間社会学部のように心理に関する小論文を課す大学、神戸大学国際人間科学部のように総合的な思考を問う筆記の大学もあります。

この型で効くのは、概論書で固めた基礎概念を、問いに合わせて組み立て直す練習です。書き方の型は小論文これだけ!超基礎編のような本で短く押さえ、あとは志望校の過去問のテーマで実際に書いて、添削を受けてください。型とネタを仕入れただけでは、本番の初見テーマに対応できません。

英語:課すか課さないかを最初に確かめる

心理学系の編入試験の英語は、課さない大学と、筆記で課す大学にはっきり分かれます。追手門学院大学愛知淑徳大学は心理学の筆記と面接が中心で、英語の筆記はありません。一方、中京大学龍谷大学青山学院大学教育人間科学部は英語と心理学の2本立てです。

筆記型の大学では、単語帳と文構造の読み取りを土台に長文演習を積みます。心理学の実験や概念を題材にした英文を出す大学もあるため、概論書で学んだ用語を英語の文脈でも追えるようにしておくと読みやすくなります。TOEICなどのスコア提出で英語を代える大学を併願するなら、参考書より先に受験日程を押さえてください。スコアの返却には時間がかかります。

英語で使う本です。

心理学を課している大学の例

出題形式ごとの目安です。それぞれの大学別記事で、科目・日程・出題傾向を確認できます。この記事の参考書ルートは、これらの大学の出題範囲と対応しています。

同じ大学でも学科・プログラム・編入年次・年度によって科目と募集の有無が違います。ここに挙げたのは目安です。必ず志望する学科の最新の募集要項で確認してください。心理学を学べる大学の一覧は心理学部編入の実施大学一覧、難易度の目安は心理・人間科学系の編入難易度ランキングから確認できます。

いつまでに何を終えるか

試験日から逆算した目安です。始める時期が遅いなら、その分だけ各段階を縮めて進めます。

  • 試験の1年前

    志望校の専門試験の型(筆記・小論文)と英語の有無、編入年次を確認し、買う本を決める。入門書に着手。2年次編入だけの大学は1年次在学中の受験になるため、入学直後から逆算する

  • 6〜8か月前

    概論書の1周目。ここが最も時間がかかります。英語を課す大学なら、単語と読解も並行して毎日続ける

  • 4〜6か月前

    キーワード集と一問一答で用語を定着させる。難関大ルートは統計・研究法や分野別の本へ広げる。小論文型は書く練習をここから始める

  • 2〜3か月前

    過去問。時間を計り、記述問題を最後まで書き切る。書いた答案は添削を受ける。面接・口頭試問で話す「学びたい分野」も言葉にしておく

  • 1か月前

    用語の総ざらいと、書いた答案の書き直し。新しい本を増やさない

過去問は最後に取っておくものではありません。勉強を始める前に一度目を通し、どんな形式で何が問われるかを見てください。そこで見た形式が、買う本と進める順序を決めます。

やってはいけない3つの使い方

  1. 用語集の暗記から入る。概論書を飛ばすと、用語の名前は選べても説明ができません。記述式と面接で必ず止まります
  2. 最初から専門的な本に手を出す。大学院対策用の心理学の本など水準の高い本は、概論の土台がないまま読むと前提知識の壁で止まります。順序を守れば同じ本が武器になります
  3. 志望校が課さない分野へ手を広げる。統計・研究法や臨床・教育の各論まで要るかは大学によります。課されない分野に使った時間は、概論の反復と過去問の時間を削ります

あとは、いまの自分の位置から何を先にやるかです。志望校と現在の状況をうかがったうえで、順番を整理します。

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まとめ

  • 心理学部の編入は、ほぼ全員が初学者から始めます。差がつくのは読む順序です
  • 入門書 → 概論書 → キーワード集・一問一答 → 過去問・記述練習の4段階。用語集の暗記から入らないでください
  • 標準ルートは概論とキーワードの定着まで。難関大ルートは統計・研究法、分野別の本、英語を上乗せします
  • 小論文型は、概論の知識を材料に書く練習まで。添削を受けてください
  • 英語は課すか課さないかを最初に確認。課されるなら専門と同じ期間、並行して積みます
  • 2年次のみの大学、募集学科が年度で入れ替わる大学があります。要項の確認が対策より先です

科目別の参考書ルートの全体像と、参考書の使い方の共通原則は編入試験の参考書ルートにまとめています。心理学・人間科学系の本のレビューは心理学・人間科学系の参考書レビュー一覧から探せます。試験の日程や出願の段取りは編入の出願手続きとスケジュール、出願できるかどうかの条件は編入の出願資格と必要単位を確認してください。

よくある質問

心理学を勉強したことがなくても、心理学部に編入できますか?

できます。高校に心理学という科目はないため、心理学部の編入試験は、ほとんどの受験生が初学者の状態から始めます。差がつくのは読む順序です。入門書で心理学が何を扱う学問かをつかんでから、概論書で全体を通し、キーワード集で用語を固めてください。用語集の暗記から入ると、言葉は知っていても説明できない状態になりやすく、記述式の問題や面接で手が止まります。

心理学部編入の参考書は何冊くらい必要ですか?

標準ルートなら、入門書・概論書・キーワード集と問題集の3〜4冊が土台になります。英語を課す大学を受けるなら、そこに英語の教材が加わります。統計・研究法や臨床・教育などの分野別の本が要るかは、志望校の出題範囲しだいです。大切なのは冊数を増やすことではなく、決めた本を繰り返し読んで、用語を自分の言葉で説明できる状態にすることです。まず志望校の募集要項で専門科目の出題形式を確かめてください。

心理学検定の教材は編入対策に使えますか?

使えます。心理学検定のキーワード集や問題集は、大学で学ぶ心理学の基礎的な用語と人名を分野ごとに整理しており、編入試験で問われる心理学の基礎知識と範囲が重なります。ただし検定に合格することが目的ではありません。用語の名前を選べるだけでなく、自分の言葉で説明できる状態まで仕上げる道具として使ってください。そのうえで志望校の過去問を見て、出題形式に合わせた練習に進みます。

統計や研究法まで勉強する必要がありますか?

大学によります。心理学の基礎知識を問う筆記なら、概論書とキーワード集の範囲で対応できる大学が多くあります。一方で、心理学は実験や調査のデータで仮説を確かめる学問なので、研究法まで含めて出題する大学や、面接・口頭試問で入学後に何を研究したいかを聞かれる場面では、実験法・質問紙・観察法といった研究法の言葉で語れることが強みになります。志望校の募集要項と過去問で確かめてから足してください。

公認心理師や臨床心理士を目指す場合、編入で注意することはありますか?

編入後の履修計画を出願前に確かめてください。公認心理師に対応するカリキュラムは1年次からの積み上げを前提に組まれていることが多く、編入した年次によっては、卒業までに所定の科目を履修しきれない場合があります。心理学部に編入できることと、資格に対応する課程に乗れることは別の問題です。志望校の学部窓口や募集要項で、編入生の資格課程の扱いを確認してから出願してください。

英語はどれくらい必要ですか?

大学で分かれます。心理学の筆記と面接だけで英語を課さない大学もあれば、英語と心理学の筆記を両方課す大学もあります。まず募集要項で英語の有無を確かめてください。課される場合は、単語と文構造の読み取りを土台に、専門の勉強と同じ期間、並行して毎日続けます。心理学の実験や概念を題材にした英文を出す大学もあるため、概論書で学んだ用語を英語の文脈でも追えるようにしておくと有利です。

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